研究課題/領域番号 |
19K10096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
片岡 嗣雄 朝日大学, 歯学部, 講師 (60451390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 微生物叢 / Ⅰ型糖尿病 / 常在細菌叢 / IL-33 / 口腔内細菌叢 / 糖尿病 / 自己免疫疾患 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、まずⅠ型糖尿病モデルマウスを作製し、その口腔内ならびに腸内細菌叢の構成を解析することで、Ⅰ型糖尿病の発症に関与する細菌叢の構成を明らかにするとともに、その構成と症状を改善させる口腔内細菌を同定する。次に食物アレルギーモデルマウスを作製してこの口腔内細菌を経口投与し、症状の変化を解析する。また、食物アレルギー症状を変化させる細菌をⅠ型糖尿病モデルマウスに経口投与して症状の変化を解析し、Ⅰ型糖尿病と食物アレルギーの両方の症状を改善する口腔内細菌を同定する。さらにその分子メカニズムを解析して、これらの疾患を有効に予防、診断、治療できる新たな方法を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Ⅰ型糖尿病モデルマウスと食物アレルギーモデルマウスの糞便中で増加していたCitrobacter属細菌のアレルギー症状増悪メカニズムを明らかにした。Citrobacter koseri生菌は、マウス樹状細胞株DC2.4において、多量に産生するATPを介して、Th2サイトカインであるIL-33の発現を強く誘導した。本菌のLPSはToll-like receptor 4シグナルを介してIL-33発現を抑制していた。以上のことから、C. koseriは、多量に産生したATPでIL-33発現を誘導し、アレルギー症状を増悪するが、その死菌から遊離したLPSは症状を抑えている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は、食物アレルギーと腸内細菌の関連性を分子レベルで明らかにしたものであり、今後、食物アレルギーの予防と治療において新たな方法を確立するための知見となり得る。腸内細菌のLPSがTLR4シグナルを介して、アレルギー症状の増悪につながるTh2応答を抑制しているという知見は、常在細菌叢と自然免疫応答のバランスが免疫疾患の予防につながる可能性を示唆したものであり、食物アレルギーにとどまらず、他の免疫疾患の予防法にも応用が期待できる。
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