研究課題/領域番号 |
19K10105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
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研究分担者 |
天雲 太一 東北大学, 大学病院, 講師 (80451425)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 過酸化水素 / 紫外線 / バイオフィルム / 動物実験 / 第三象牙質 / 可視光線 / UVA / 齲蝕治療 / 過酸化水素光分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、一般的に消毒薬として用いられている3%過酸化水素に紫外線を照射することで生成するヒドロキシルラジカルによる齲蝕(虫歯)原因菌に対する殺菌作用、および紫外線照射の象牙質誘導作用による歯髄保護効果の両方を具備した新しい齲蝕治療法の確立を目的とする。齲蝕原因菌のバイオフィルムモデルを用いて、齲蝕治療に最適な処理条件を探索するとともに、生体における第三象牙質誘導効果および歯質脱灰抑制効果の評価を行い、本殺菌法を応用した齲蝕治療法の有効性を病理組織学的観点から検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、過酸化水素光分解殺菌法を齲蝕治療の分野で応用するための基礎的検討を行った。過酸化水素光分解殺菌法とは、口腔内消毒薬としても用いられている3%過酸化水素に光を照射して分解することで生成される水酸化ラジカルを応用した殺菌法である。まず、齲蝕原因菌を含む多菌種のバイオフィルムに対する殺菌効果の検証を行い、高い殺菌効果が得られることを実証した。次にラットの上顎第一大臼歯に対して過酸化水素光分解殺菌法を行った際の歯髄反応を分析した。その結果、①髄角部に限局した可逆的な変性が認められること、②歯髄組織中の炎症反応は限定的であること、③処理21日後までに第三象牙質が形成されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の研究グループでは、過酸化水素光分解殺菌法の歯科臨床応用を目指した研究を進めている。これまでに、本殺菌法を応用した歯周病治療器を開発し、治験を通して有効性を実証してきた。本研究ではこの殺菌法を齲蝕治療にも応用するために、有効性および安全性の検証を目的とした基礎的研究を実施した。その結果、齲蝕原因菌を含むバイオフィルムに対しても高い殺菌効果を示すことが分かった。さらに、本殺菌法でラットの歯を処理しても歯髄の炎症を惹起しないことを確認した。さらに、歯髄で硬組織が形成されることが分かった。この作用を、歯髄を保護するために利用できれば、新しい齲蝕治療法として発展させることができると考えられる。
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