研究課題/領域番号 |
19K10109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10457228)
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研究分担者 |
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00228488)
青山 絵理子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10432650)
滝川 正春 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20112063)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (30322233)
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 象牙芽前駆細胞 / IFT88 / 象牙芽細胞分化 / 細胞増殖 / 一次繊毛 / 細胞分化 / 細胞極性 / 象牙芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、齲歯への再生治療法はない。この問題を解決するためには、象牙芽細胞の“一次繊毛”の機能解明がポイントであると我々は考える。一次繊毛は体を構成するほとんどの細胞に存在し、細胞アンテナとして細胞外環境を感知し、極性制御など多様な機能を発揮する細胞器官である。しかしながら、極性が重要な象牙芽細胞上の一次繊毛の機能に関してはほとんど研究が進んでいない。よって本研究では、象牙芽細胞における一次繊毛を介した極性制御機構を中心に、その細胞生理機構を解明し、「歯牙組織の形づくりシステム」の一端を解き明かす。そしてこれを制御することで、整然とした細管構造を有する「正常象牙質」再生の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
象牙芽前駆細胞のIntraflagellar transport (IFT) 88は一次繊毛形成に働き、一次繊毛関連シグナルである古典的WNTシグナルの抑制により象牙芽細胞分化を制御すること、また、古典的WNTシグナルはネガティブフィードバックにより一次繊毛形成を抑制することを明らかにした(Bone, 2021)。 また、細胞増殖速度は、Ift88ノックダウン乳癌細胞株では、現在までの報告通り、増加したが、Ift88ノックダウン象牙芽前駆細胞では抑制された。この制御機構には、Hippoシグナルで機能するYAP、古典的WNTシグナルで機能するbeta-cateninの関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
象牙芽細胞上の一次繊毛の機能に関しては、ほとんど研究が進んでいない状況で、我々は、象牙芽前駆細胞の分化は、一次繊毛を介した古典的WNTシグナルにより制御されることを明らかにした (Bone, 2021) 。 また、筋幹細胞などでは、一次繊毛は細胞増殖制御機構のブレーキとして機能する (Palla AR, et al., Nat. Commun., 2022) 。しかし、本研究では、これらとは異なり石灰化能力のある象牙芽前駆細胞では、一次繊毛は細胞増殖速度を加速させた。つまり、一次繊毛は、象牙芽前駆細胞では、石灰化という重要な能力の獲得に寄与している可能性を示唆され、今後の研究の展開へと繋がった。
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