研究課題/領域番号 |
19K10113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 (2021-2023) 千葉県立保健医療大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
金子 潤 明海大学, 保健医療学部, 教授 (40301890)
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研究分担者 |
沖野 晃俊 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60262276)
河野 舞 明海大学, 保健医療学部, 教授 (90586926)
荒川 真 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60379881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 歯のホワイトニング / 大気圧低温プラズマ / 漂白効果 / 歯科漂白治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大気圧低温プラズマを用いた漂白法による歯の着色除去効果・漂白効果を色彩学的に評価し、プラズマ照射が歯質に与える影響を明らかにすることにより、過酸化物を用いない安全性の高い歯科漂白法の確立を目指す。 (2019~2020年度)大気圧低温プラズマ照射による着色除去効果および漂白効果を仮想エナメル質(褐色鶏卵卵殻)を用いて色彩学的に評価する。 (2021年度)大気圧低温プラズマ照射による歯質への影響(エナメル質の微小硬度および耐酸性の変化)の解明を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、大気圧低温プラズマの歯質着色除去および歯科漂白治療への応用の可能性を検討するために、漂白効果や歯質への影響に関するin vitroデータを収集することを目的とする。特に、プラズマ照射による漂白効果に関しては、原料ガス種やガス流量、水分供給量などのプラズマ生成条件を詳細に検討する。 本年度は、生成するプラズマに低濃度過酸化水素水を付与した場合の漂白効果について検討し、より安全で漂白効果の高いプラズマ照射条件を確立することを目的とした。 仮想エナメル質として褐色鶏卵卵殻を用い、卵殻中央部に直径5mmのウインドウを設置してプラズマ照射野に規定した。本実験では、プラズマ噴出口付近に蒸留水を連続的に噴霧して付与(Spray群)、または3%過酸化水素水(H2O2)を連続的に噴霧して付与(Spray-H群)、の2群を設定し比較した(n=5)。プラズマ源にはダメージフリーマルチガスプラズマジェットPCT-DFMJ02(プラズマコンセプト東京)を用い、プラズマ原料ガスを窒素100%、ガス流量10L/minの条件でプラズマを発生させ、照射口を試料表面から5mm離間した条件下で5分間照射した。 試料の漂白効果を色彩学的に分析したところ、Spray-H群では色差ΔE、白色度差ΔW(Hunter白色度計算式を準用して算出)ともにSpray群よりも大きな値を示す傾向にあったが、いずれも両群間に有意差を認めなかった。口腔内での連続的な液体噴霧を想定すると、3%以上の過酸化水素水を用いることは現実的でないため、ホワイトニングへの応用には水を利用した窒素プラズマ照射が安全かつ効果的な方法であると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度前半には共同研究機関との研究打合せや実験を再開することができた。しかし、コロナ禍による2022年度までの研究の遅れが依然として取り戻せていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ガス流量や水分供給量などのプラズマ生成条件について、現在までの実験結果をもとに、仮想エナメル質として褐色鶏卵卵殻を用いて、歯科漂白治療に適したプラズマ生成条件について最終的な検討を行う。また、プラズマによる照射面の温度上昇についても引き続き計測し、歯や歯髄への影響について検討する。
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