研究課題/領域番号 |
19K10120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
尾池 和樹 朝日大学, 歯学部, 助教 (10784621)
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研究分担者 |
堀田 正人 朝日大学, その他部局等, 教授 (10157042)
横川 善之 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 名誉教授 (20358310)
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 教授 (70513670)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 層状複水酸化物 / 亜鉛 / 硫化物吸着 / 低分子吸着 / 陰イオン交換 / 口臭 / 歯周病細菌 / 亜鉛置換型ハイドロタルサイト / イオン交換 / 亜鉛徐放性 / 生体親和性 / 抗菌作用 / 硫化物 / 揮発性硫黄化合物 / 歯髄由来幹細胞 / 歯肉由来細胞 / ハイドロタルサイト含有歯科材料 / 酸化亜鉛 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はマグネシウムを亜鉛に置換したZn置換型ハイドロタルサイト(Zn-HT)が高い硫化物吸着能を示すことを明らかにした。本研究では既存の歯科用セメントや樹脂、シリコンなどにZn-HTを混合比を変えて添加した試作材料を作製し、その物性や硫化物吸着能を検討する。また亜鉛イオンの抗菌作用が注目されており、既存の歯科材料である酸化亜鉛を混合した材料の作製条件も検討する。これら2種の材料から疑似唾液や疑似体液への亜鉛等の溶出量を測定し、溶出成分を含む培地を用いた細胞、微生物培養系での評価を行い、硫化物をはじめとする低分子吸着能を備えた仮封材やセメント類、低分子除去シート等に利用可能な新素材の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はイオン交換能と低分子吸着能を有する層状複水酸化物であるハイドロタルサイト(HDT)の歯科への応用を目指すものであり、天然にも産出するMg-Al系HDTの組成のMgをZnに置換したZn-Al系HDT(Zn-Al-HDT)を合成し、既存の歯科材料に添加してイオン交換能と低分子吸着能を活かした新たな歯科材料を創出することである。 本研究では樹脂材料にZn-Al-HDTを混合比を変えて添加した試作材料を作製し、その物性やヒト由来細胞とP. gingivalis培養系での挙動を検討した。その結果、ヒト細胞に対して親和性を示しかつP. gingivalisの生育を阻害する作用がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口臭や審美的な悩みなど、歯科治療の需要は多岐にわたり国民のQOL維持に重要な役割を果たしている。口臭予防成分や抗菌性を有する歯科材料の開発は世界中で行われているが、例えば口臭、歯周病予防のための洗口剤や歯磨剤の成分は、主として抗菌成分、抗炎症成分であり、口臭の原因物質を除去できるものは少ない。我々の合成したZn-Al-HDTの硫化水素吸着能に関しては既に報告済みであるが、本研究で、Zn-Al-HDTを歯科材料に添加して、ヒト細胞への為害性がないこと、歯周病原因菌の代表であるP.gingvalsの生育を阻害することが示され、国民のQOLを高める新たな歯科材料開発に有望な素材であることが示された。
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