研究課題/領域番号 |
19K10132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
尾崎 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90214121)
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研究分担者 |
湯本 浩通 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284303)
細川 義隆 徳島大学, 病院, 講師 (90346601)
細川 育子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (50707908)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | バイオフィルム / 二酸化チタン / チタニアナノチューブ / ポリフェノール / 光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
TNT-PolyP mixture(以下,合剤)として期待する効果が最大限に発揮される至適な形状のTiO2 nanotubes(TNT)を形態学的解析によって確認しつつ合成する。一方,TNTに保持するPolyP(EGCGとCCM)の至適濃度や混合比を,細菌学的解析等を通して決定する。そして,合剤の口腔バイオフィルムの初期形成阻止や成長抑制の効果を検証するとともに,齲蝕誘発モデルで形成させたバイオフィルム内の菌体内外多糖および歯質の超微構造に合剤が与える影響を解析する。さらに,歯根部試料を調製し,歯根表面の耐酸性や再石灰化能に及ぼす合剤の効果を検証する。これらの検証を行った上,臨床応用に向けた具体的な技術指針を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では,二酸化チタンとポリフェノールを出発材料として調製した合剤(以下,TNT-PolyP mixture)の抗菌活性やバイオフィルムの形成抑制を解析した。すなわち,Streptococcus mutansにTNT-PolyP mixtureを作用させ懸濁液の吸光度や電子顕微鏡を用いた超微細形態学変化を解析したところ,菌の増殖抑制や菌体内外多糖の合成抑制が確認された。また,アパタイトペレット表面の粗ぞう化,すなわち脱灰作用についても減じる傾向を示した。以上のことから,本研究で調製したTNT-PolyP mixtureはう蝕の発症抑制に有用である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
う蝕や歯周病の発症要因となるだけでなく,誤嚥性肺炎など死に至る疾患の原因ともいわれる口腔バイオフィルムの駆逐技術を開発することは,歯科臨床上非常に意義深い。 とくに口腔衛生管理の手段として患者に指導するブラッシングなど口腔バイオフィルムの機械的除去に加え,本研究で調製した合剤のような新たなコンセプトに基づく口腔バイオフィルム形成制御技術が応用されることで,機能障害の有無を問わず高度なブラッシングを要求しがたい高齢者や要介護者の口腔衛生管理の質が向上し,根面う蝕の発症予防や進行抑制に貢献すると考えられる。
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