研究課題/領域番号 |
19K10140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
林 潤一郎 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30350937)
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研究分担者 |
福田 光男 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (40156790)
長谷川 義明 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70460524)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗菌光線力学療法 / バイオフィルム / インドシアニングリーン / 歯周病原細菌 / ナノ粒子 / 歯肉外部照射法 / 酸化ストレス / 緑膿菌 |
研究開始時の研究の概要 |
厚生労働省が示したAMR対策アクションプランにより、抗菌薬の使用制限が求められる中、有効なバイオフィルム抑制法の開発は急務である。申請者らは、バイオフィルム感染症である歯周病について、抗菌薬に変わる新たな治療法として抗菌光線力学療法(aPDT)の研究を行なってきた。独自に開発したインドシアニングリーン封入ナノ粒子を用いたaPDTシステムは浮遊性の歯周病原細菌に対し高い殺菌作用を示した。本研究では、歯周病原細菌バイオフィルムモデルを作成し、それに対する本aPDTシステムの効果を確認する。また、緑膿菌バイオフィルムへの効果についても確認し、口腔領域以外のバイオフィルム感染症への応用を検討する。
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研究成果の概要 |
我々が独自に開発を続けてきたインドシアニングリーン封入ナノ粒子と半導体レーザーを用いた抗菌光線力学療法のシステムが、歯周病バイオフィルムに対し十分な殺菌効果を発揮するのかをin vitroモデルにて検討した。歯周病原細菌2菌種の混合バイオフィルムを作成し、バイオフィルムへの殺菌効果を確認したところ、歯周ポケット内照射を想定したモデルにおいては97%程度の、歯周ポケット外照射を想定したモデルでは99%以上の高い殺菌効果を示した。また、aPDTによる細菌の遺伝子発現への影響を調べたところ、酸化ストレス応答遺伝子であるoxyR、sod、バイオフィルム形成に関連するluxSで発現低下が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が独自に開発を進めてきたICGナノ粒子を用いた歯肉外部照射法によるaPDTは、すでに人の歯周ポケットに対する臨床研究が進められており、本研究において、実験的にバイオフィルムの細菌抑制に有効であることが確認されたことで、裏付けとなる基礎データの大部分が整うこととなる。aPDTは一般的に、現時点においては、単独処置における臨床成績が十分でないことが報告されており、より高い臨床効果が求められている。今後、臨床研究を重ね、我々の手法がより効果的であることが示されれば、歯周病治療において、薬剤耐性対策や、観血処置が困難な場合の有効なオプションとなることが期待される。
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