研究課題/領域番号 |
19K10147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大倉 直人 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00547573)
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研究分担者 |
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974)
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30220718)
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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研究期間 (年度) |
2022-01-04 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アスコルビン酸 / SVCT2 / GLUT1 / 歯髄再生療法 / トランスポーター / 歯髄再生 / SVCT1 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では①歯髄創傷治癒時で展開される象牙芽細胞への分化に関与していると予想されるPGE2-Svct2連関に対して、分子生物学的および免疫組織化学的解析によって経時的・空間的な象牙芽細胞分化への誘導機構の解明を目的とする。さらに、②PGE2-Svct2連関によって輸送制御されたAAとその補酵素であるTen-eleven translocation 2との複合体による象牙芽細胞分化への誘導機構の解明に加え、③AAによる末梢神経の保護作用にも着目し、ここへのSvct2の関与も含めた新規メカニズムを総合的に探索し明らかにする。
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研究実績の概要 |
歯髄創傷治癒時における修復象牙質 形成にアスコルビン酸が深く関与していると仮説を立て、アスコルビン酸の輸送経路の解明と、アスコルビン酸の機能について解析を行った。 MTA直覆による歯髄創傷治癒モデルラットを用いて、免疫組織学的解析とリアルタイムPCR解析による遺伝子学的解析を時空間的に行った。 その結果、正常歯髄での酵素抗体法による免疫染色反応では象牙芽細胞、血管内皮細胞、歯根膜細胞および神経線維の一部においてSvct2/Glut1の陽性反応を 認めた。創傷治癒過程では、覆髄後 1 日の歯髄細胞では Svct2/Glut1 陽性細胞ともに認められなかったが、MTA 覆髄 3 日後で象牙芽細胞を含めた多くの歯髄 組織内の細胞にSvct2/Glut1 陽性反応を認め、5 日後では被蓋硬組織が形成されはじめた覆髄部直下で Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が確認された。7 日後では、被蓋硬 組織に沿って円柱状に配列した Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が認められた。覆髄後における Slc23a2 および Slc2a1 ともにmRNA 発 現量は未処置歯群と比較して 3 日後をピークに有意に増加した(P<.01)。MTA 覆髄3-5日後に Svct2 と Glut1 による創傷部位へのアスコルビン酸供給経路と代 謝経路が形成されていたことが示唆された。さらに歯髄創傷治癒時におけるアスコルビン酸の役割が、象牙芽細胞様細胞への分化においても重要な因子である可 能性が考えられた。 さらに2年目では、アスコルビン酸を産生しないODSラットを用いて歯髄創傷治癒についてモデルラットを作製後観察したところ、修復象牙質形成を認めなかった。また、創傷表面下でオステオポンチン層が有意に増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定とほぼ同じように、アスコルビン酸における歯髄創傷治癒時の詳細な役割および機能が解明されつつある。さらに、免疫機能の観点からマクロファージに焦点を当てた解析も順調に解明されつつあり、おおむね順調に研究は進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年である本年では、これまで得られた知見が正しいかどうか、追試を行いデータの信憑性について再評価する。得られた知見を最終的にまとめ上げ、論文投稿予定である。
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