研究課題/領域番号 |
19K10149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松崎 久美子 (田中久美子) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50550802)
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研究分担者 |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (10201071)
島田 康史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60282761)
松崎 秀信 岡山大学, 大学病院, 助教 (70325124)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 放射線性う蝕 / 象牙質脱灰抑制 / 象牙質知覚過敏抑制材 / 象牙質知覚過敏抑制剤 / 知覚過敏抑制剤 / 口腔乾燥 / 接着システム / 放射線う蝕 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部癌に対する放射線治療の晩期障害のひとつである放射線う蝕は一度発症すると急速かつ多発的に進行する。そのため、応急的にう蝕進行抑制剤を塗布し、日を改めて接着システムを使用したコンポジットレジン修復を行うことが多い。しかし、う蝕進行抑制剤は、被着面のコラーゲンを凝固させるため、プライマーが充分に浸透しない可能性がある。また、接着システムの研究は、通常、口腔内が湿潤であることを前提として検証されが、頭頸部癌放射線治療後の唾液量は減少している。そこで、本研究では、唾液腺障害環境をモデル化する。う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質に対する接着システムの接着性の検討を行い、放射線う蝕の治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
放射線性う蝕の治療法の確立を目指し、象牙質被着面に関する研究を行った。象牙質知覚過敏抑制材が有する象牙細管開口部の封鎖作用を応用して、象牙質被着面の脱灰抑制効果を検証した。その結果、象牙質知覚過敏抑制材は、被着面のごく表層、あるいはやや内部で脱灰を抑制することが示された。 放射線を照射したヒト抜去歯を用いて同様に検証した結果、照射後の試料は酸性環境下で脱灰が進行しやすく、これらの材料は脱灰抑制効果を有する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌に対する放射線治療の晩期障害のひとつに、放射線う蝕が挙げられる。放射線う蝕は一度発症すると急速かつ多発的に進行する。本研究の成果は、放射線性う蝕の進行抑制につながる可能性、あるいは、直接修復処置を行う際の被着面を強化する可能性を示唆するものであった。本研究は、市販の象牙質知覚過敏抑制材を応用したものであるため、コストや生体安全性から考えて、実用可能と考えられる。検証の方法が象牙質表面の性状の観察にとどまっているため、機械的性質の検証などさらなる研究を行う必要があるが、放射線治療を受けた頭頸部がん患者の、治療後の食生活の質を低下させないための一助となる可能性が示された。
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