研究課題/領域番号 |
19K10162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
坂上 竜資 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (50215612)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | apical bud / セメント質 / Hertwig上皮鞘 / Malassezの上皮遺残 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、HERS細胞そのものが上皮間葉転換を起こしてセメント芽細胞に分化するという説が提唱されており、われわれはこれをin vivoの実験系で実証したいと考えている。 実験計画は、「歯の発生」と「歯周組織の再生」のメカニズムを知る目的でマウスを用いた2通りの実験から成り立っている。「歯の発生」のモデル実験では、臼歯歯胚にapical bud細胞を注入、または臼歯歯胚を分散化しapical bud細胞を混入したオルガネラとして移植する。「歯周組織の再生」のモデル実験では、歯根が完成した臼歯の歯根膜腔にGFP陽性apical bud細胞を注入することによって、apical bud細胞の動態を追う。
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研究成果の概要 |
マウスなどゲッ歯類の前歯は生涯にわたって伸び続けるが、その理由は前歯根尖部に組織幹細胞が存在することによっている。われわれは、これを顕微鏡下にてGFPマウスから採取し、野生型マウスに移植して6ヶ月にわたって観察した。その結果、この組織幹細胞は上皮系から間葉系へと変化し、歯と周囲の組織をつなげる役割を果たすセメント芽細胞に分化することが明らかになった。この細胞分化のメカニズムを応用することによって、歯の再生や歯周病で失われた組織の再生に応用できると展望している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抜け落ちた歯の再生、歯周病によって失われた歯周組織の再生は、再生療法における次の大きなターゲットである。歯はセメント質と歯根膜を介して、周囲の歯槽骨とつながっている。セメント質を形成するセメント芽細胞の由来については、これまで間葉系細胞由来であると一般的に考えられてきた。われわれの研究によって、組織幹細胞が移植後に上皮間葉転換を生じてセメント芽細胞となることを初めて検証できた。このメカニズムを応用することで、今後の再生医療の展開につながる可能性がある。
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