研究課題/領域番号 |
19K10193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
柏俣 正典 朝日大学, 歯学部, 教授 (30152630)
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研究分担者 |
佐藤 慶太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (10549041)
設楽 彰子 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30508718)
大野 雄太 朝日大学, 歯学部, 講師 (30796644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 顎下腺原基 / 分枝形態形成 / 凍結保護薬 / 上皮成長因子 / ERK1/2 / AKT / リン酸化 / マウス顎下腺原基 / EGF / シグナル伝達機構 / 凍結保存 / 上皮間葉相互作用 / 唾液腺原基 / 凍結保存方法 / 器官培養 |
研究開始時の研究の概要 |
株化細胞の凍結保存は基礎研究分野で日常的に使用されている技術である。しかし、生体の器官や臓器の凍結技術は確立されていない。胎生期のマウス顎下腺原基は、およそ300 μm径の大きさの未成熟な器官で、体外へ取り出してフィルター上で器官培養することで上皮のbud数の増加が観察できる。本研究では、株化細胞の保存に使用されている凍結保護薬(DMSO、ショ糖、グリセロールおよびポリエチレングリコール等)の器官凍結時の効果について調査すると同時に、急速凍結や緩慢凍結の有効性および解凍時の器官の処置方法についても調査し、最適な器官の凍結保存技術を開発する。
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研究成果の概要 |
胎仔マウスの顎下腺原基を用いて器官の凍結保存について検討した。胎生顎下腺原基を凍結保護薬に浸漬してを凍結保存した。一部の原基はMr. Frostyを用いて緩徐凍結してその効果を調べた。解凍後の顎下腺原基はDMEM/F12培養液に浮かべた膜上で器官培養を行い、形成される分枝数を計測して分枝形態形成能を調べた。また、凍結後の培養顎下腺原基にEGFを作用させ、誘導されるERK1/2とAKTのリン酸化状態について解析した。その結果、凍結保護薬は顎下腺原基の凍結保護作用を示し、Mr. Frostyはその保護効果を増強した。凍結保護薬は生理機能を保持した顎下腺原基の凍結保存に有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
株化細胞の凍結保存は基礎研究分野で日常的に使用されている。しかし、生体の器官や臓器の凍結技術は確立されていない。胎生期のマウス顎下腺原基は、およそ300micrometer径の大きさの未成熟な器官で、体外へ取り出してフィルター上で器官培養することで上皮の分枝形態形成が観察できる。本研究では、株化細胞用の凍結保護薬が器官凍結に際しても保護効果を有することを明らかにした。顎下腺原基は小さい器官であり、凍結保護薬の浸透速度が適切であるため、器官凍結の保護効果を発揮すると推察された。今後さらに凍結保護薬に工夫をすることで、より大きな器官あるいは臓器を凍結保存可能であると考えられた。
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