研究課題/領域番号 |
19K10196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
西田 尚敬 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (70448116)
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研究分担者 |
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20226658)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90547259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 酸化チタン / 生体材料 / 光触媒 / 骨誘導 / アパタイト / 骨再生 / ナノマテリアル / チタニアナノチューブ / ナノチューブ / 骨形成 / 酸化物ナノチューブ |
研究開始時の研究の概要 |
細胞の接着、増殖、分化は表面の性質、形状に影響される。溶液化学法で合成したチタニアナノチューブ粒子は、表面の物理化学的特性と特異的なチューブ形状が有利に働き、骨芽細胞への分化促進効果があることがわかっている。さらなる知見を得るため、本研究ではチタニアナノチューブの応用探索研究として迅速的に骨形成を誘導する材料の創製を目的として、擬似体液を用いた生体模倣環境下でのチタニアナノチューブとヒドロキシアパタイトの複合化を試み、複合化条件の最適化およびその複合材料における骨分化能、骨形成能を検討する。
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研究成果の概要 |
チタニアナノチューブ(TNT)はチタン酸レピドクロサイト構造の多層チューブ状であり、多量の分子やイオンを吸着する特徴を持っている。この吸着能を活かし、高度な骨誘導材料としての展開を期待し、 擬似体液(SBF)を用いてTNTとヒドロキシアパタイト(HAp)の複合体を作製した。SBF溶液中でのUV照射によりTi3+に酸素欠損が生じ、水分子が解離してTNT表面に吸着し、新たなヒドロキシル基を形成してアパタイトの核生成を誘導することに成功した。また、この複合材料は、高骨誘導能を有することがわかり、ナノ構造チタニアが生体材料へ展開できる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工骨補填材の研究はHApとβ-TCPがほとんどであり、光触媒担体であるチタニアとナノチューブ構造を掛け合わせた材料を応用する研究は少なく、世界を見ても先駆けていると考えられる。高比表面積であることや、イオンあるいは分子の優れた吸着能などのチタニアナノチューブ特有の特徴を活かしつつ、アパタイトと複合化することによりこれまでにない骨誘導能を付与することに成功した。この結果は、まだ解明できていないナノオーダー物質の生体材料展開への可能性を示した。本研究での知見をもとに、ナノ材料科学を医科歯科学に融合した学際領域において新しい学問体系の構築に前進したと考えられる。
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