研究課題/領域番号 |
19K10204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石垣 尚一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (40212865)
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研究分担者 |
矢谷 博文 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (80174530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性疼痛 / 中枢性感作 / 顎関節症 / 慢性痛 / biomarker / nociplastic pain / central sensitization / temporal summation / wind-up |
研究開始時の研究の概要 |
顎関節症に対しては,主に開口訓練や認知行動療法などの非観血的な治療法が採用されているが,痛みが慢性化する症例も存在する.その原因の一つとして,中枢性感作による痛み,すなわちnociplastic painの関与が疑われる.しかし,現時点でこの現象を確認する検査法は存在しない.本研究課題は,反復熱刺激を用いて時間的加重により生じるwind-up現象をバイオマーカーとして検討し,中枢性感作のスクリーニング検査法を確立することを目的としている.研究成果は,歯科だけでなく全身的な慢性痛治療に貢献でき,早期に適切な診断や治療方法の選択が可能となることで社会的にも波及効果が高いと考えている.
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研究成果の概要 |
中枢性感作は,慢性疼痛において重要な概念であり,temporal summation of second pain(以下,TSSP)が有用な指標とされている.しかし,TSSPの刺激条件は十分に検討されていないため,本研究ではその確立を目的とし,健常者におけるTSSP発現様相,および,健常者とprimary myofascial orofacial painを有する患者とのTSSPの差異を検討した. その結果,患者固有の疼痛閾値を基にTSSPの刺激強度を設定し,TSSPのパラメータの多面的な評価をすることが中枢性感作を調べる上で有用であることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性疼痛患者においてしばしば認める組織損傷に不釣り合いな痛みの訴えなどの神経生物学的に説明することができなかった症状は,中枢性感作の結果であると理解されており,慢性疼痛において重要な概念である.本研究は,患者の疼痛閾値に合わせて刺激強度を個別に調整したtemporal summation of second painの臨床的同定を検討した初めての研究である.本研究結果により,temporal summation of second painを測定するための刺激強度を設定する臨床パラダイムのエビデンスが得られ,慢性疼痛患者の診断に有益な情報を提供できたものと考えている.
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