研究課題/領域番号 |
19K10216
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20549985)
|
研究分担者 |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20366173)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | デンチャープラーク / 口腔微生物 / 義歯 / 高齢者 / マイクロバイオーム / 床用材料 / 唾液 / 要介護者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、要介護者と健常高齢者それぞれの義歯表面に付着した口腔マイクロバイオームの組成を明らかにし、義歯の清掃状態の違いによる影響を検討することである。 方法として、自立高齢者および要介護高齢者それぞれの上顎総義歯から試料を採取し、義歯の清掃状態を調べるとともに16s rRNAシークエンサーを用いて義歯表面のマイクロバイオームを解析する。真菌についてはITS領域を増幅して解析を行う。唾液や舌苔のマイクロバイオームとの違いを対象者内で検討するとともに、義歯床用材料、対象者の環境(要介護状態など)、義歯清掃状態による違いについて被験者間の比較検討を行っていく。
|
研究成果の概要 |
PCoA解析の結果、属レベルでは床用材料であるアクリルレジン、コバルトクロム合金と、天然歯を想定したハイドロキシアパタイトの3種の試料片上の微生物叢は類似しStreptococcus属やNeisseria属の菌が多数を占めていた。これらはデンタルプラークの形成過程の初期に多くみられる菌である。今回試料片上にはデンタルプラークと似た組成のプラークが形成されていたと考えられる。 これに対し、唾液サンプルと各種試料片から得たサンプルとでは形成される微生物叢が異なっていた。唾液中には浮遊菌が多くを占めるが、歯や義歯床上の微生物は材料への付着性を持つ菌の割合が多いため、微生物叢が異なったものと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの義歯に付着した微生物を検索する研究は、主に特定の微生物もしくは微生物の総数を検討することによって行われており、どのような組成のバイオフィルムが義歯表面に形成されているかについては十分明らかでなかった。今回、16s rRNAシークエンサーを用いて義歯床用材料に形成されたマイクロバイオームを詳細に解析したことで、義歯に付着した微生物叢が唾液の微生物叢と異なり、デンチャープラークと類似していることが明らかとなった。この結果により、義歯清掃のアプローチ法について、デンタルプラークへのアプローチを参考に詳細に検討することが可能になると考えられ、学術的意義の高い研究であったと考えられる。
|