研究課題/領域番号 |
19K10231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
中島 一憲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80317916)
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研究分担者 |
河野 克明 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10801574)
武田 友孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20236475)
西野 仁泰 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30822449)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 咀嚼回数 / ウェアラブルデバイス / 健康増進 / リアルタイム / 咀嚼解析 / ロコモティブシンドローム / サルコペニア / フレイル / 食習慣 / ビッグデータ / NIRS |
研究開始時の研究の概要 |
歩行の多寡が健康に強く関与するとして,日常における活動を計測する万歩計が広く普及している。一方,食習慣・食生活の改善と同様に全身の健康状態に及ぼす影響が注目されている。 現在申請者らは,咀嚼解析ウェアラブルデバイスの開発を行っている。これはスマートフォンと無線接続し日常生活のあらゆる咀嚼運動をリアルタイムに計測・解析・記録するものである。 本機器を応用し,食事や間食など日常生活におけるすべての咀嚼回数を計測することにより,食習慣が全身の健康状態に対していかなる影響を及ぼすかを検討し,健康幸福長寿社会へ食生活の改善という観点からアプローチして行きたい。
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研究実績の概要 |
健康を維持・増進させるための3本の柱として「①適度な運動をすること」,「②適切に栄養摂取すること」,「③十分な休養をとること」が挙げられ,特に運動に関しては,高齢者の健康の維持増進に欠くことができない。高齢者に適した,または必要な運動としては,自荷重によるレジスタンストレーニングと歩行による有酸素運動がある。歩行に関しては,その多寡が健康に強く関与するとして,日常における活動を計測する活動量計や万歩計が広く普及しているのが現状である。また,超高齢化社会を迎えた我が国において,食習慣・食生活の改善が全身の健康状態に及ぼす影響が注目されている。咀嚼機能の低下は,エネルギーやタンパク質が欠乏し低栄養となることが懸念される。低栄養状態の長期化は,免疫力,筋力,体力,認知機能の低下,骨量の減少などを起こし,ロコモティブシンドローム,サルコペニア,フレイル,認知障害など様々な障害,疾病に繋がる。そのため,良好な食習慣,食生活を回復,普及することは今後の我が国の高齢化社会において,必要不可欠と思われる。 現在申請者らは,咀嚼解析ウェアラブルデバイスの開発を行っている。これは感圧センサーとブルートゥースモジュールおよびバッテリーを装備し小型軽量に設計したもので,スマートフォンと無線接続し日常生活のあらゆる咀嚼運動をリアルタイムに計測・解析・記録することを目指したものである。本装置が基本食品に関して十分な精度をもって計測できることを報告してきた。 本研究課題では,高齢者に対して本機器を応用し,食事や間食など日常生活におけるすべての咀嚼回数を計測することにより,食習慣が全身の健康状態に対していかなる影響を及ぼすかを検討・立証し,健康幸福長寿社会へ食生活の改善という観点からアプローチして行きたい。本研究の結果は,今後の歯科医学の発展ならびに国民の健康の維持増進へ繋がるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
椅子に座った状態での咀嚼解析に関しては十分な精度をもって分析可能であったが,咀嚼運動自体は運動中のガム咀嚼などに代表されるように体動の影響を考慮する必要がある。また,会話などによって咀嚼筋や表情筋が収縮し,純粋な咀嚼回数の測定結果に誤差が生じることとなる。 これらの点に関する検証の結果,ウォーキング中など比較的穏やかな運動中に関する咀嚼解析の精度についてはアルゴリズムの改善によって対応が可能であったため,追加のデータ取得を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
被研食品に関しては,ゼリーのような柔らかい素材や,ラーメンのような熱い食品において実際の目視や筋活動との誤差がみられる。そこで硬さの変化が少ないガムの応用によりウォーキング中などの体動が起こってもガム咀嚼をより正確に検証することができることがわかった。 偶発的な体動や会話による誤差の影響が極力起こらないようにセンサー部やアルゴリズムの調整を調整し,測定の再開を開始している。
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