研究課題/領域番号 |
19K10235
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 日本歯科大学 (2022-2023) 日本歯科大学東京短期大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
小池 麻里 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (00234667)
|
研究分担者 |
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | Additive Manufacturing / 歯科用インプラント / チタン合金 / 生体親和性 / 機械的特性 / 細胞毒性 / 金属粉末積層造形法 / インプラント / 機械的性質 / インプラント体 / 粉末積層造形法 / 表面性状 |
研究開始時の研究の概要 |
粉末積層造形法を用いたTi合金やCo-Cr合金製品の優れた特性により,人工骨やインプラントの生体材料としての適用が期待される.しかし,従来の金属生体材料の弾性率は生体骨の弾性率より高いため,埋入後の破折の一因となる.この技術を応用すると金属生体材料の弾性率が調節でき破折が防止できるが,完成体表面の粗造化で生体骨との結合性低下が懸念される.そこで,粉末積層造形法で特性を調整し,同素材の均一な繊維や粉末を表面に焼結加工で被覆することで,生体環境に最適な弾性率と表面粗さの両者を備えた格子状金属生体材料の新たな開発は,その臨床応用を可能にし,長寿社会の再生医療への貢献と医療費抑制に繋げることになる.
|
研究実績の概要 |
デジタル技術活用でカスタムメイドできるAdditive Manufacturing (AM)により個々の生体に適した表面性と強度を備えたインプラントの製作とその臨床応用を目指した研究計画である.前年度までに,オッセオインテグレーションしやすい2種類の表面形状を設計し,グローバル技術革新センター所有のレーザビーム粉末積層造形装置にてTi-6Al-4V ELI合金を用いた格子構造を備えた試料片製作を依頼した.ISO 6892に従い機械的特性を評価し,格子構造を備えた試験片の特性は,対照群とした格子構造のない試料片の特性と比較した結果,どちらも引張強度と伸びについてはインプラント体に使用するには十分な特性を有することを確認した.また,S. mutansとC. albicansが存在する口腔内環境を模倣した条件下での細菌付着試験とISO 10993-5 (2009)に準じたBalb/c 3T3マウス維芽細胞活性をMTTアッセイを用いて測定した結果を指標とする細胞毒性試験を実行し,インプラント体に求められる生体親和性の評価については,細菌付着試験では,表面性状による影響は認められず,細胞毒性試験においては,格子状表面にすることで,細胞との接触面積が減少したため細胞活性を維持できたことを確認できた.これらの結果を踏まえると,格子状表面形状を付与することは,細胞親和性を向上させられるのではないかとの期待が高まった. 金属粉末積層造形法によるカスタムメイドのインプラント体製作にかかるコストの大幅な削減と納品の短期化ができることは,さらに生体材料として最適なサイズと形状を備えたインプラント体を提供することができ,その寿命の延長に確実に繋がると自負している.また,この技術の確立は,医療費の削減と患者が治療機関へ通院する期間と時間の短縮の実現も可能となる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染拡大終息後に,この研究課題を少しずつではあるが研究計画を遂行できてきた.全てのデータが揃った状況であることから,今後は,データを基に分析を行うのみとなっている.
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染拡大に伴う研究計画実施の遅れはあったが,研究課題を少しずつではあるが研究計画を遂行してきた.今後は,今までに得られた格子構造を備えた試験片の機械的特性,細菌付着性および細胞毒性についてのデータを分析し,総合的に評価することで,インプラント体の口腔内での生体親和性を判断し,in vivo試験へと繋げる予定にしている. また,得られた結果は,国際学会での発表,論文による公表をする予定である. 新型コロナ感染については十分配慮しながら実施する.
|