研究課題/領域番号 |
19K10239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
稲垣 亮一 東北大学, 歯学研究科, 講師 (60260444)
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研究分担者 |
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジルコニア / イットリア / 光透過性 / 機械的性質 / 結晶構造 / 高光透過性 / 結晶 / CAD/CAM / 強度 |
研究開始時の研究の概要 |
3%イットリアで安定化したジルコニア(3Y-TZP)に歯冠色を付与し、単一材料で製作する歯科補綴装置(モノリシック補綴装置)の臨床応用が進められている。しかしながら、天然歯と比較すると3Y-TZPの光透過性は低いため、審美性の観点からモノリシック補綴装置の応用は臼歯部に限定されている。そこで、イットリアの含有量を増やすことで、光透過性を向上させたジルコニアの前歯部への応用が提案されている。本研究では、光透過性を向上させた歯科用ジルコニアの機械的特性、結晶構造、疲労挙動を網羅的に分析し、歯科臨床における補綴装置選択の判断材料となる学術的情報を集積することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、歯科臨床応用が進められている高光透過性ジルコニアの特性を網羅的に分析し、それぞれの材料の適応症例を検討するための科学的情報の集積を目的とした。ジルコニアに添加するイットリアの濃度を増加させることで光透過性が向上するため、歯科用高光透過性ジルコニアには4~6 mol%のイットリアが含まれている。イットリア濃度の増加に伴い、正方晶の割合が減少し、擬立方晶の割合が増加することが分かった。また、イットリア濃度が高いほど水熱劣化に対する耐性が向上し、劣化の原因となる単斜晶が生成されにくくなることを実証した。一連の研究を通して、歯科用高光透過性ジルコニアは十分な強度を有していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯科用CAD/CAMシステムの発展とともに、ジルコニアのソフトマシーニング加工方法が確立され、ジルコニア補綴装置が広く臨床応用されようになった。さらに、歯冠色を付与する技術および光透過性を向上させる方法が開発され、前装材料を用いずにジルコニア単独で補綴装置を作製する技法が普及してきている。本研究では、イットリア濃度を増加させて光透過性を向上させた新しいジルコニアの物性を調べ、歯科臨床にフィードバックするための情報を集積することを目的とした。分析の結果、イットリア濃度の増加に伴う結晶構造の変化によって強度が低下するものの、高光透過性ジルコニアは十分な強度を有していることを実証した。
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