研究課題/領域番号 |
19K10251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
下田平 直大 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20710007)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40524781)
原田 佳枝 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60432663)
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / MSC / SASP / 歯周病 / 細菌 / 骨増生 / 細菌由来因子 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の多くに認められる広範囲かつ高度な顎堤吸収に対する治療法として、間葉系幹細胞(MSC)を用いた顎骨再生療法後のインプラント補綴が有効と考えられ、臨床応用に向けて研究が進んでいる。しかし、高齢ドナー由来MSCを使用する場合は若年者由来の場合より採取細胞数や骨分化能が劣るだけでなく、移植後感染による組織破壊・創傷治癒不全にも十分注意する必要がある。本研究は、高齢ドナー由来MSCの組織再生への免疫応答を介した口腔内細菌の影響を解明することが目的であり、高齢者の細胞移植手術時の感染制御法の開発に貢献する。
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研究実績の概要 |
若齢(10週齡)と老齢(78~80週齡)のC57BL/6Jの雄性マウスから、長管骨由来MSCと顎骨MSCを採取した。得られた顎骨 MSCにβ-gal染色を行い、老化細胞の陽性率を検出して比較した。組織分化能は顎骨MSCを分化誘導培地で培養し、アリザリンレッド染色・オイルレッド染色を行った後、骨分化と脂肪分化を評価した。また顎骨MSCの骨分化やSASP、細胞周期に関連する遺伝子発現についてリアルタイムPCRで比較した。顕微鏡下で若齢MSCと老齢MSCの形態を比較すると、老齢MSCは扁平・肥大化している細胞が多く存在し、β-gal染色でも老化細胞陽性率が高い傾向があった。さらに、細胞分化実験では若齢MSC・老齢MSC共に、石灰化や脂肪滴が確認されたが、老齢MSCは若齢MSCと比較して、分化能が低下していることが示された。また、リアルタイムPCR解析により遺伝子発現を比較したところ、一部のSASP関して、老齢MSCでは若齢マウス由来よりも亢進傾向があり、長管骨由来MSCと比較してもその傾向は顕著であった。 以上より顎骨MSCにおいては、老齢マウス由来細胞は若齢マウス細胞と比較して老化細胞が多く含まれ、SASPが亢進し、組織分化能が低下している可能性が示された。老齢マウスからの顎骨MSCの採取法確立や、老齢マウス入手に時間がかかっているものの、実験は確実に進行し、結果は得られてきている。今後も計画どおり遂行していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の問題もあり、学内外の研究者と十分に連携をとって実験をすすめるには障壁を感じることも多く、MSCにおける炎症反応は複雑で解析まで時間を要し、さらに高齢マウスの入手が難しくなってきている。当初計画していた細胞の移植実験を完了するには、もう少し時間がかかる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
顎骨由来細胞は、大腿骨由来細胞よりも若年マウス由来の時点でSASP因子の発現が変化しており、この特徴が顎骨由来細胞の骨分化の特徴に影響を及ぼしている可能性がある。今後は、顎骨由来OMSCに特徴的なSASP因子放出の亢進を抑えて老化を抑制する方法について検討を行ったり、AaやPg等細菌由来毒素で顎骨由来OMSCを刺激時にSASP因子に変化があるか調べ、この変化が骨分化へ影響を及ぼすか明らかにしていく予定である。
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