研究課題/領域番号 |
19K10256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
山田 匡恵 (古川匡恵) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 外来研究員 (90439456)
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研究分担者 |
佐藤 亜希子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチーム, プロジェクトリーダー (80800979)
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | オーラルフレイル / SIRT1 / 老化 / 海馬 / 視床下部 / 認知機能 / 咀嚼 / astrogliosis / 歯の喪失 / 口腔細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
咀嚼を担う重要な器官である歯は、齲蝕や歯周病などさまざまな原因で喪失し、加齢に伴い減少する傾向にある。一方、脳、特に視床下部は老化・寿命制御の上位中枢として機能する。その中で特にNAD+依存性脱アセチル化酵素サーチュイン1(以下SIRT1)は、睡眠の質や老化に伴う生理学的変化を制御する。しかし、視床下部のSIRT1が歯の喪失や口腔細菌叢の変化とどのような関係にあるかは未だ明らかになっていない。 そこで本研究は、歯の喪失による視床下部への影響について若齢および老齢マウスの抜歯群と非抜歯群の視床下部を中心として解析し、歯の喪失とSIRT1との因果関係を明らかにすることを、分子生物学的に解析する。
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研究成果の概要 |
本研究は、臼歯の喪失による咀嚼機能の低下が実験動物の脳、特に、視床下部や海馬への影響について分子生物学的、行動実験学的、免疫組織科学的に検討することである。具体的には、上顎第一臼歯を抜歯した若齢及び老齢マウスを飼育したところ、特に老齢マウスにおいて著しい認知機能の低下、運動機能の低下が確認され、また視床下部や海馬においても、脳内の炎症や老化を示すマーカーが上昇した。このことから、咀嚼機能の低下は脳の老化を誘導し、また認知機能の低下を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、保有歯数と平均余命や寿命の関係が報告されているが、その因果関係や機序については全く明らかになっていなかった。本研究の結果から、咀嚼機能の低下により、認知機能が低下するだけでなく、脳内の老化の指標となるアストロサイトの増生が視床下部および海馬において見られた。これらのことにより、咀嚼が中枢神経の機能に非常に重要であり、認知機能にも影響を及ぼし、脳の老化を著しく誘導することが明らかとなった。脳の老化の抑制には臼歯による咀嚼機能の維持が重要であることが明らかとなった。
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