研究課題/領域番号 |
19K10262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 (2021) 富山大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
冨原 圭 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70404738)
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研究分担者 |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 講師 (10547516)
野口 誠 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (50208328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔癌 / 骨髄由来免疫抑制性細胞 / 免疫療法 / 局所浸潤 / 癌関連線維芽細胞 / 破骨細胞分化 / 免疫チェックポイント分子 / 免疫抑制性細胞 / 加齢変化 / 免疫老化 / マウスモデル / 免疫抑制 / MDSC |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、担癌宿主における免疫チェックポイント分子阻害の反応において大きなかぎを握る存在として骨髄由来免疫抑制性細胞(MDSC)に着目している。それは、免疫チェックポイント分子阻害が宿主の免疫抑制を標的とした治療薬ではあるにも関わらず、宿主の免疫抑制に強く関連しているMDSCが、その反応とどのように関連しているか不明なためである。また、さらに重要な点は、加齢変化に伴うMDSCの変化と免疫抑制への関与である。特に免疫老化が、MDSCの形質や機能にどのような修飾効果を及ぼしているか、どのように免疫チェックポイント分子阻害の反応と関連しているかという点については不明であり、その点を解明することを目的とした。
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研究成果の概要 |
口腔癌に対する有効な免疫療法の開発を目的とし、免疫チェックポイント阻害薬による抗腫瘍効果を最大限に引き出す新規免疫療法の可能性について究明した。ヒトにおけるがんの発生に近い動物モデルの作製として老齢C3H/HeNマウスと、同マウス由来口腔扁平上皮癌細胞株NR-S1K細胞を用いた老齢マウス口腔癌モデルを作製し、老齢担癌宿主における免疫抑制機序について解析を行った。老齢口腔癌マウスでは若齢のものに比べて、免疫抑制性細胞の割合が増加し、さらにメモリーT細胞の割合も増加していた。以上の結果、口腔癌担癌宿主の加齢変化に伴う免疫抑制においては、免疫抑制性細胞の増加がその一端を担っている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌は、その発生部位の解剖学的特徴から、外科治療においては口腔機能が大きく損なわれることもしばしばで、患者のQOLの面から、口腔の機能温存に資する新規治療法が求められる。本研究成果は、担癌宿主における免疫抑制性細胞であるMDSCの標的化が、効果的な抗腫瘍免疫応答の誘導において重要である可能性が示した結果である。また、老齢の担癌宿主における免疫逃避の要因の一つとしても考えられることから、免疫抑制性細胞の標的化と免疫老化に伴う免疫抑制状態の解除は、効果的な癌免疫療法の開発にとって重要と考えられた。
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