研究課題/領域番号 |
19K10264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡部 一登 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (50801453)
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研究分担者 |
酒井 陽 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80772425)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線性顎骨壊死 / エクソソーム / 歯髄幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療は頭頸部がんに対して高い治療効果を有するが、口腔粘膜炎や口腔乾燥等の有害事象を必発する。特に晩期に発症する顎骨壊死は摂食障害や発音障害、審美障害をもたらし、著しくQOLを低下させる。しかしながら、顎骨壊死に対する治療法は未だ確立されておらず、放射線治療を推し進める上で解決しなければならない問題となっている。昨今、治療困難であった重篤な疾患に対して、間葉系幹細胞を由来とするエクソソームによる治療効果が注目されている。本研究では、さらに高い再生能力を持つ歯髄幹細胞を由来とするエクソソームに着目した放射線性顎骨壊死の新規治療法を開発し、発症機序の解明を図る。
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研究成果の概要 |
本研究は、ヒト歯髄幹細胞から単離したエクソソーム(DPSCs-EVs)を用いて難治性疾患である放射線性顎骨壊死(ORNJ)の新たなる治療法を開発し、ORNJの発症機序を解明することを目的とした。細胞実験では、DPSCs-EVsとの共培養により放射線照射した細胞の増殖能が促進され、細胞老化が抑制されたことを確認した。この結果を基に動物実験へ移行した。放射線照射したラットは抜歯すると治癒せず、ORNJを発症する。一方、抜歯する前にDPSCs-EVsを投与することで正常な治癒を促した。DPSCs-EVsはORNJに対する治療法となり、細胞老化が発症の一因となっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は頭頸部がんに対して高い治療効果を有し、機能や形態の温存の観点から選択されることは日常臨床において少なくない。その反面、様々な有害事象を患者にもたらす。中でも、放射線性顎骨壊死は治療法が確立しておらず、対応に苦慮し、顎骨切除を余儀なくされることが少なくない。その場合、摂食障害や発音障害、審美障害をもたらし、著しくQOLを低下させる。本研究では、DPSCsから単離したエクソソームの投与によりORNJの発症を抑制することを明らかにした。更なるエクソソームの解析により発症機序の解明や創薬へと引き継ぐことが可能となり、本研究は学術的ならびに社会的意義を有するものと考えられた。
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