研究課題/領域番号 |
19K10265
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 晋 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00367541)
|
研究分担者 |
濱田 吉之輔 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (10362683)
河口 直正 森ノ宮医療大学, 保健医療学研究科, 教授 (70224748)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 骨格筋 / オステオポンチン / SVVYGLR / 筋機能再生 / SVVYGLRペプチド / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、骨格筋外傷・手術後の重度の筋断裂、損傷、瘢痕線維化による運動機能低下に対して、SVペプチドが骨格筋の組織再生ならびに機能再生を促進しうるかを明らかにする目的で、①骨格筋(咀嚼筋、軟口蓋筋)損傷モデルを用いてSVペプチドが筋活動(摂食運動・鼻咽腔閉鎖運動)特性に及ぼす影響について生理学的に検討・解析するとともに、②骨格筋前駆細胞(筋衛星細胞・筋芽細胞)を用いて、細胞生物学的特性(増殖・分化能)に対するSVペプチドの作用効果についても分子生物学的に明らかとしていく。本研究成果をもとにペプチド製剤による新規骨格筋再生治療法の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
骨格筋損傷後の運動機能低下に対する新たな筋機能再生治療法を確立する目的で、創傷治癒に関与するオステオポンチン由来のSVVYGLR(SV)ペプチドに着目し、分子生物学的解析ならびに骨格筋損傷動物モデルを用いて生理学的解析を行った。 SVペプチドは、ヒト由来筋衛生細胞ならびに筋芽細胞の増殖能には影響なく、遊走能を有意に上昇させることや、特異的転写調節因子の発現増強を伴い筋管細胞への分化を促進することが明らかとなった。また種々の筋損傷モデルに対してSVペプチドを局注投与すると、損傷部における瘢痕形成を抑制し、より成熟した筋線維による再生修復が誘導され筋機能再生に有効に作用する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋は、運動や軽微な損傷に対しては、速やかな修復、再生が行われるが、外傷、手術による筋組織の重篤な損傷や発育不全を有する先天性疾患においては、従来の治療、形成手術を行ったとしても十分な機能回復、機能獲得が得られないケースも少なくない。筋肉の再生医療について、骨格筋を対象とした再生医療技術として臨床応用されているものは未だ存在しない。本研究成果より、生体由来の機能性ペプチドである本被検物を損傷骨格筋に局所投与することで、筋組織の再生を促進し、良好な機能再生をもたらすことが明らかとなり、新たな骨格筋の機能再生治療法となる可能性が示唆された。
|