研究課題/領域番号 |
19K10266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 (2021-2022) 大阪大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
相川 友直 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (00362674)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨吸収 / 扁平上皮癌 / IL-7 / RANKL / T細胞 / SCC / 破骨細胞 / RNAKL / 口腔がん / 骨浸潤 / 顎骨 / 腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、腫瘍細胞と間質線維芽細胞そして破骨細胞の相互作用に焦点をあて、口腔がんによりなぜ骨が破壊されるのか、骨を吸収・破壊する腫瘍としない腫瘍になぜ別れるのか、それはどのような機序で、どのようなタンパクが関わっているのか、を明らかにする研究である。わたしたちが作成した骨破壊型のマウスモデルと、骨破壊の少ないマウスモデルから遺伝子を抽出し、網羅的にどのような遺伝子が発現しているのかを調べる予定である。 本研究でがん細胞と周囲の正常細胞、がん細胞と周囲の破骨細胞の相互作用を明らかにし、普遍的な機序を解明することで、将来的ながんの骨破壊に関わる標的分子研究の基礎になればと考えている。
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研究成果の概要 |
扁平上皮癌の骨吸収・骨破壊の分子機序をシンジェニックマウス頭蓋冠骨浸潤モデルを用いて解析した。SCC7由来の高骨吸収亜株と低吸収亜株の腫瘍を用い、骨吸収部位と非骨吸収部位の遺伝子発現をRNAシークエンス法で解析した結果、高骨吸収部にはインターロイキン7(IL-7)が高発現していた。高骨吸収亜株腫瘍に抗LI-7中和抗体の投与すると、腫瘍内のRANKL遺伝子発現、TRAP遺伝子発現、カテプシンK遺伝子発現は著明に低下し、骨吸収も著明に抑制された。扁平上皮癌の株細胞による骨吸収にIL-7が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの癌腫の治療法の確立と治療の向上により、原発巣病変の治癒が向上している。しかしながら、他臓器転移病巣、例えば骨転移などの骨病変に対する治療は困難を極める。口腔扁平上皮癌においては、骨病変の成立機序も明らかにされておらず、治療手法が少ないのが現状である。 本研究は骨浸潤の分子機序を明らかにするという学術的な意義に加え、将来的な口腔扁平上皮癌の骨病変治療の基礎となりうる点で医療的な、社会的な意義も大きい。
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