研究課題/領域番号 |
19K10272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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研究分担者 |
仲川 洋介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00714875)
森 英一朗 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70803659)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNA修復 / 口腔がん / ATR inhibitor / 細胞周期 / PIKKファミリー / ATR / ATR阻害剤 / 5-FU / ATM / Chk1 / γH2AX / DNA損傷 / DNA修復タンパク / ATR経路阻害 / がん増感 / 放射線治療 / 抗がん薬 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞周期のチェックポイントを担うATR経路が、既存の抗がん薬や放射線治療および温熱治療などの効果を増大させる分子標的となり得るのか否かを検討することで、将来の効果的ながん治療につなげていくことが当研究の主たる目的である。 また、放射線照射、温熱処理、抗がん薬処理により、ATMやATRをはじめとする標的となるDNA修復酵素の細胞内局在の変化、つまり細胞内でのタンパク質の生理機能解析を検討することを行う予定である。
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研究実績の概要 |
これまで、PIKKファミリーを中心としたDNA修復機構の制御により、口腔がん治療における放射線や抗がん剤などの既存の治療において増感効果を生じるのか否かを検討している。これまでの研究で、特に著明な増感を認めたATR阻害剤による5-FU増感効果に関するメカニズムの解明を進めており、ウエスタンブロッティングにて5-FUの濃度依存性にATRの自己リン酸化が強く進み、ATR阻害剤を加えることによりそれらのATRのリン酸化は抑制されることを確認している。また、γH2AX抗体を用いて免疫染色を行うことで、ATR阻害により5-FUによるDNA二本鎖切断を増加させ効率的なアポトーシスを誘導し増感効果をもたらすと考えられた。ATRは、DNA二本鎖切断の修復における相同組み換えでの修復中心的な役割を果たし、その修復は細胞周期のS/G2期に依存的であるため、細胞周期の変動や細胞周期に関わる遺伝子発現に変化を認めるか否かの解析を中心に研究を進めている。 5-FU処理により細胞周期がS期で停止していることが明らかとなり、5-FUとATR阻害剤の併用でSub-G1の割合が増加していることが明らかとなった。また、5-FU処理後の遺伝子発現変動をRNA sequenceにて定性的に、qPCRにて定量的に行った。その結果、有意な発現変動を認めた9種の遺伝子はCCNE1、CCNE2、CDKN1A、TXNIP、CCNB1、CDKN3、AURKA、CDC20、PSRC1であり、S期以降で細胞周期停止に働く傾向の遺伝子の発現であった。AURKAの発現抑制が認められ、ATRはAurora Aの活性を受けてセントロメア領域にリクルートされて染色体分配時の安定性に寄与しているることから、ATR阻害剤と5-FU増感効果のメカニズムとして染色体分配時への影響、染色体の崩壊などが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究にて、先ずATR阻害剤と5-FUとの併用により著明な殺細胞効果を認めることをコロニー形成法にて発見した。また、Flow cytometryを用いた細胞周期のヒストグラムおよびHoechst染色での形態学的変化からApoptosis誘導の検討を行ったところ、5-FU 単剤に比べATR阻害剤と5-FUを併用することでApoptosis誘導を著明に増加させる結果を得た。さらに、ウエスタンブロッティングにてATRおよびATR関連のDNA修復経路のタンパク質の経時的な発現変化を比較し、γH2AX抗体を用いた免疫染色でDNA二本鎖切断の量的比較検討を行った。以上の結果をもとに、フローサイトメトリーでの細胞周期の変動やRNA sequenceにて定性的に、qPCRにて定量的な遺伝子発現変動の解析を行うなどATR阻害剤と5-FUとの併用による増感効果のメカニズムに関して少しずつ研究内容を深め解明していくことが出来ていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
細胞実験では予定通りの行程で実験は進んでおり、今後はマウスを使用した腫瘍移植系実験を計画している。ATR阻害剤と5-FUの併用にて、それぞれ単独での効果と比較し増感効果(縮小効果)を認めるかを検討したいと考えている。また、薬剤作用後の腫瘍を取り出し、フローサイトメトリーや免疫染色を行いDNA修復経路への影響を検討したいと計画している。
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