研究課題/領域番号 |
19K10291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 五郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (60195071)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / PD-L1 / PD-L2 / PD-1 / 増殖 / 舌癌 / Ki67 / 浸潤 / MMP2 / MMP9 / PD1 / 口腔がん / PDL1 / PDL2 / 免疫チェックポイント阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
PD-1抑制経路の効果に関する免疫学的因子として、がん関連微小環境における免疫抑制状態を検討するために、抗腫瘍T細胞をはじめとしたT細胞、NK細胞、B細胞などのリンパ球系細胞の数や浸潤など、また、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)、単球サブセット、腫瘍関連マクロファージなどについて研究する。 腫瘍側のPD-1抑制経路の効果に関する因子として、PD-L1およびPD-L2の発現状況、それらの発現を規定する因子としてのサイトカイン、がん遺伝子変異を検討する。 ある種の化学療法剤は、細胞死をがん細胞に誘導することができ、免疫抑制細胞を減少させることもできる。これらの抗がん剤との併用について基礎的検討を行う。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌症例において、PD-L1とはPD-L2は腫瘍細胞に発現し、両者が発現している症例は浸潤および増殖マーカーとの関連性が強く悪性度との相関性が示唆された。また、PD-1の発現のない症例でもそれらが発現しており、腫瘍細胞に異常が起こっている可能性が示唆された。培養細胞でもそれらが発現し、両者が発現している細胞は浸潤および増殖能が強かった。またそれらをブロックすると浸潤能、増殖能ともに軽減がみられた。培養細胞でも、PD-L1とPD-L2は独自に発現しており、悪性度との相関がみられた。化学療法剤併用は、有意差はないものの両者が発現している症例では効果が減弱していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に癌細胞においてPD-1によりPD-L1が誘導されることで癌細胞抑制がおこることから、PD-L1が発現している細胞の方が抗PD-1抗体を用いた治療に有効とされている。しかしながら、本研究結果からリンパ球に誘導されないで腫瘍細胞自体に独自に発現するPD-L1とPD-L2が認められ、それらが腫瘍の悪性度や治療抵抗性に関与している可能性が示唆された。口腔癌における抗PD-1抗体療法に抵抗性がある場合には、これらの抗体を調べ、予後の予測をすることや、抗体療法を含めた治療法を考えることが必要とされる研究結果となった。
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