研究課題/領域番号 |
19K10306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長岡 亮介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30760805)
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研究分担者 |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60242210)
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 唇裂 / 口唇口蓋裂 / 低酸素 / マウス / 動物実験 / 唇顎裂 / 唇顎口蓋裂 / 低酸素症 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトにおいて最も高頻度に認められる体表の先天異常に唇顎口蓋裂(以下、CLP)がある。CLPは顎顔面を形成する複数の顔面突起の癒合が不良のため生じる。CLPの原因は遺伝子的要因、環境的要因が挙げられるも未だ全容は不明である。一方、低酸素状態は睡眠時無呼吸症候群等でも生じ得るが、重度の低酸素曝露はエピジェネティクス変化を誘導し、遺伝子発現を変化させることが報告されている。動物実験モデルでの低酸素状態によりCLPの一種である唇裂を発症することは判明しているため、環境的要因としての低酸素曝露を用いることでCLPの原因の探索を行う。
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研究実績の概要 |
in vitroのマウス胎仔全胚培養法による低酸素状態が複数の遺伝子発現を抑制し、顔面形成へ影響を与え、顔面突起の癒合不全(唇裂)を生じることは、研究代表者により明らかとされていた。一方、in vivoでの低酸素環境下での妊娠マウス母獣の飼育法は既報で確立を見ており、専用のチャンバーを利用した酸素濃度9%の低酸素状態(通常約21%)で妊娠マウス母獣(胎齢10.5日)を24時間飼育した。結果、肉眼的な形態異常はin vitroでのマウス胎仔全胚培養と同様の結果を生じ、かつ、免疫組織化学染色では血管新生の亢進、細胞増殖の減少、細胞死の増加が確認された。 さらに得られたin vivoでのサンプルを免疫組織化学染色で確認したところ、リン酸化ヒストンの発現で観測される細胞増殖は、顔面突起において右側の方が左側よりも減少していた。細胞死を患側するカスパーゼの発現は右側の方が多かった。これは、細胞増殖および細胞死に左右差が生じることを示唆している。 我々の過去の報告ではin vitroの低酸素環境で右側に唇裂を多く認める結果であった。これを踏まえると、in vivoの低酸素環境で得られた上記の結果も矛盾しないものである。 唇裂は体表に現れる先天異常としては高頻度の疾患のひとつでありながら原因となる要素が多岐にわたり、いまだ明快な原因究明はなされていない。今回の実験結果は既存の実験系から新しい実験モデルを構築できており、唇裂はもともと発症に左右差のある先天異常であるため、それに対する解析として示唆に富む方法となりうることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
共有施設での実験器具(低酸素環境でのマウス飼育器具)の使用が可能となる見込みだったため、管理者側の試験運用期間が終了するのを待ち、使用許可をとる予定であった。しかしながら、試験期間が予定よりも大きく延長されたため、やむなく同等の実験機材を借用をすることで実験を行った。借用期間に限りがあるため、前述の「研究実績の概要」にある実験結果を得るまでには至ったのだが、試行回数の増加による再現性の確認や複数の分析方法を行うには限界があり、当初予定より実験計画は遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
共用施設での低酸素環境を実行し、現在までの実験条件の妥当性に更なる検討を加え、研究を継続する。従来の分析方法(免疫組織化学染色、in situ hybridization、RT-PCR)に加えて、形質変化に対するエピジェネティクスの観点からの分析法も検討・追加し、より詳細な分子生物学的な解析を行う。
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