研究課題/領域番号 |
19K10307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北村 信隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90224972)
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研究分担者 |
武井 延之 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (70221372)
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (80207802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | シロリムス口内炎 / 発症機序 / 口腔粘膜培養 / 細胞間接着因子 / 口腔粘膜重層培養 / mTOR阻害剤 / 口内炎 / シロリムス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、重層培養系を用いて、mTOR阻害剤の長期的影響を調べ、口内炎発症機序を解明することである。本研究の重層培養系は、下からコラーゲンコートしたメンブレンを基底膜に模しており、その上に有棘層、顆粒層、重層扁平上皮表層が形成される。単相培養系を用いた基礎検討では180日以上の長期培養が可能であった。この重層培養系での長期培養を試み、従来報告がなかったシロリムス存在下での長期的構造的変化を捉える。それにより扁平上皮層の形成が抑制され、アフタ性口内炎をinvitroで mimicし、さらに長期培養により、表層の扁平上皮化が起こるかどうかを観る。
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研究実績の概要 |
シロリムスは我が国ではリンパ脈管筋腫症の治療薬として承認されている。最も頻度が高い有害事象は口内炎で、シロリムス口内炎と呼ばれている。臨床所見は アフタ性で基底膜に及ぶ深い潰瘍は創らず、浅く円形の形状を呈する。我々はLAM研究会において、2017年、シロリムス服用後におこる小球性低色素性貧血と口内炎発症の関連ならびにシロリムスによる口腔粘膜細胞サイズと細胞間接着因子の抑制について報告し、2018年には、0.06mMCa存在下で、口腔粘膜細胞の増殖と成長に0.1-10nMのシロリムスが抑制的に働くことを報告した。さらにその後の実験において、1.2mMCa存在下で口腔粘膜細胞をカルチャーインサート上に4週間重層培養し、疑似口腔粘膜組織を作製したのち、その後2週間、培地にシロリムスを添加して細胞増殖、形態や細胞間接着に及ぼす影響を調べた。その結果、このCa濃度では、1) BrdU取り込み試験で、基底細胞の増殖は、シロリムス添加によって抑制されないこと、2) 形態的には細胞の大きさの減少と重層化した細胞の剥離(特に角化細胞)が観察されること、3) この剥離の原因として細胞間接着因子 E-cadherinやDsmogrein-3の用量依存的な発現低下が見られることがわかった。以上のことから、シロリムス口内炎の機序として、接着因子の発現低下による細胞間接着の脆弱化が重要であると思われた。一方、口内炎が6ヶ月経つと頻度が低下していくことから、シロリムス服用患者では、自己修復のシステムが働いていると考えられた。さらに同じm-TOR阻害剤であるEverolimusは、E-cadherinの発現を増加するとの報告もみられる。そこで今後は、シロリムス服用開始前の患者より頬粘膜スワブを採取し、その細胞の大きさと接着因子の発現が、シロシムス服用後に変化するかどうかを観察する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この3年間、コロナウィルス感染拡大の影響により、研究計画の執行が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
口内炎が6ヶ月経つと頻度が低下していくことから、シロリムス服用患者では、自己修復のシステムが働いていると考えられた。さらに同じm-TOR阻害剤であるEverolimusは、E-cadherinの発現を増加するとの報告もみられる。そこで今後は、シロリムス服用開始前 の患者より頬粘膜スワブを採取し、その細胞の大きさと接着因子の発現が、シロシムス服用後に変化するかどうかを観察する必要がある。
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