研究課題/領域番号 |
19K10308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 祥子 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (00616047)
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研究分担者 |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (00170663)
志茂 剛 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40362991)
村瀬 友里香 岡山大学, 大学病院, 助教 (70803708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PRL-3 / 口腔扁平上皮癌 / 顎骨浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤は、不良な予後予測因子であるため、顎骨浸潤の早期診断マーカーの同定は非常に重要である。 そこで本研究は、PRL-3が口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤を抑制するメカニズムを解明することを目的とする。 本研究の成果は、画像診断だけでは正確な診断が困難な顎骨浸潤の有無を判定し、さらにPRL-3を分子標的とした口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤抑制薬の開発につながると考えられる。
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研究実績の概要 |
PRL-3は、さまざまな癌組織で不良な予後予測因子になると報告されているが、これまでの我々の研究では、比較的良好な予後が予測される高分化型および低浸潤型の口腔扁平上皮癌組織においてPRL-3が高発現しており、PRL-3は口腔扁平上皮癌の分化および浸潤を抑制する可能性がある。さらに、歯肉扁平上皮癌の顎骨切除標本において、顎骨骨髄および皮質骨への浸潤がある症例では、顎骨への浸潤を認めない症例と比較してPRL-3が低発現の傾向があり、PRL-3が顎骨浸潤も抑制することを示唆している。 当教室では、顎骨浸潤がある口腔扁平上皮癌組織においてsonic hedgehogが高発現していること、ニューロキニンB受容体(NK-3R)が、破骨細胞においてヘッジホッグシグナルにより誘導されること、歯肉扁平上皮癌細胞とその骨浸潤前線の破骨細胞に発現することを報告している。歯肉扁平上皮癌の顎骨切除標本を用いて免疫組織化学的染色を行ったところ、歯肉扁平上皮癌細胞におけるNK-3Rの発現は骨浸潤と正の相関を認めた。以上より、NK-3Rは、破骨細胞においてヘッジホッグシグナルにより誘導され、歯肉扁平上皮癌の顎骨浸潤に影響を及ぼす可能性が示唆された。PRL-3とNK-3Rの発現に負の相関関係が認められると予想したが、明らかな関連は認められなかった。 また、EMT関連因子E-cadherinとPRL-3が、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株において同様の発現パターンを示すことから、EMTのマーカーとPRL-3の関連について検討を行った。血清中のCYFRA値とPRL-3の発現に明らかな相関関係は認められなかった。癌の分化および浸潤過程において重要な役割を担うEMTとPRL-3との関連についてもさらに追及し、PRL-3が骨浸潤を抑制するメカニズムについて検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、PRL-3が低発現のHSC-2を用いたマウス骨浸潤モデルにおいて、PRL-3が骨浸潤へ及ぼす影響について解析していくこと、PRL-3が骨微小環境へ及ぼす影響について検討することであった。 PRL-3が骨浸潤へ及ぼす影響を調べる研究は、COVID-19感染症の流行に伴い研究活動を中断した期間があり、当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
マウス骨浸潤モデルにおいて、PRL-3が骨浸潤へ及ぼす影響を調べている。また、PRL-3が破骨細胞など骨微小環境へ及ぼす影響についても解析していく。
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