研究課題/領域番号 |
19K10311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
青田 桂子 徳島大学, 病院, 准教授 (70437391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / ケモカイン / JAK/STATシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
基礎研究として当科で樹立した唾液腺導管細胞株(NS-SV-DC細胞)およびSS疾患モデルマウス(Tx-NFS/sldマウス)を用いて、JAK阻害薬バリシチニブがサイトカイン誘導性ケモカインCXCL10発現に及ぼす影響と有害性を解析する。次に発展的に臨床研究としてSS患者に対するJAK阻害薬の効果と安全性に関する臨床試験を実施する。
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研究実績の概要 |
免疫学的指定難病であるシェーグレン症候群(SS)唾液腺では、導管細胞からのケモカインCXCL10過剰産生とそのレセプターであるCXCR3+炎症性細胞が集簇し、病態を形成することが明らかになっている。研究代表者は先行研究で、CXCL10は主にIFN-γ刺激によりJAK/STATシグナルを介して導管細胞から産生されることを報告した。本研究では、関節リウマチ薬であるJAK1/2 選択的阻害薬バリシチニブを用い、JAK/STATシグナル制御が唾液腺の炎症病態形成に及ぼす影響を解明し、SS新規治療薬としてのJAK阻害薬の可能性について検討した。 【材料・方法】SS患者および健常者より採取した口唇腺を用いてJAK1、JAK2、リン酸化JAK1、リン酸化JAK2の発現を免疫組織化学染色法にて検索した。正常ヒト唾液腺導管細胞株を用いて、バリシチニブがIFN-γ誘導性CXCL10発現に及ぼす影響をRT-qPCR、ELISAおよびWestern Blot法にて解析した。さらにバリシチニブがIFN-γ刺激導管細胞株へのJurkat T細胞の走化性に及ぼす影響をmigration assayにて検索した。 【結果】SS患者口唇腺においてJAK1、リン酸化JAK1、リン酸化JAK2は導管に強く発現していた。また、JAK2およびリン酸化JAK2は導管周囲の炎症性免疫細胞に強く発現していた。バリシチニブは導管細胞株においてIFN-γによるSTAT1とSTAT3のリン酸化を抑制し、CXCL10 mRNAおよび蛋白質発現を有意に低下させた。さらにバリシチニブはT細胞の導管細胞への走化性を有意に抑制した。 【結論】バリシチニブは唾液腺導管細胞においてIFN-γ誘導性CXCL10発現を抑制し、炎症性免疫細胞のリクルートを抑制することが明らかとなった。バリシチニブのSS新規治療薬としての可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JAK1/JAK2阻害薬であるバリシチニブは唾液腺導管細胞においてIFN-γ誘導性CXCL10発現を抑制し、炎症性免疫細胞のリクルートを抑制することを明らかにし、バリシチニブのSS新規治療薬としての可能性を証明したため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
バリシチニブがSS治療薬として有効と考えられたため、今後は臨床応用に向けた特定臨床研究を予定する。具体的には、本学臨床研究倫理審査委員会の承認を得て、当科受診中の SS 患者50例を対象とする。投与1か月毎に安静時唾液分泌量(吐唾法)と刺激時唾液分泌量(ガムテストもしくはサクソンテスト)を測定し、血液検査にて有害事象の有無を確認する。投与6か月後に口唇腺生検を実施し、病理組織学的検討および免疫組織学的検討を行う。また、同時に血清と唾液を用いて網羅的蛋白質発現解析を実施し、サイトカイン、ケモカインの発現量を解析する。
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