研究課題/領域番号 |
19K10323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科大学 (2022) 東京歯科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
柴山 和子 東京医科大学, 医学部, 客員研究員 (60408317)
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研究分担者 |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Candida albicans / カンジダ症 / 口腔カンジダ症 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトと同じ真核生物であるカンジダには一般の抗生物質は効果がなく抗真菌活性物質の多くがヒトに対して毒性を有するため、新しい抗真菌薬の開発も難しい状況である。真菌症の治療には新たなアプローチが必要と考える。 増殖必須栄養素の獲得に働タンパク群に固有のモチーフの特性を明らかにすれば、より特異的にカンジダ増殖を阻止し病原性の抑制が可能となる。また、菌と宿主双方の動態の解析が新規な創薬ターゲット候補の探索にも繋がるため臨床的意義も大きい。 真菌感染症の増加が予想される我が国において、基礎歯学的視点からのカンジダ症の全貌解明と新規治療への展開に向け、分子レベルでの新たな基盤構築への波及効果が期待される。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、Candida albicansの病原性発揮に寄与する宿主側の因子に着目し研究を進めた。 宿主生体内において C. albicans の菌糸形増殖および二形成変換に促進的な影響を及ぼすと考えられる候補因子を2種(候補因子①、②)に絞り込んだ。酵母形から菌糸形増殖へのスイッチングに変化が現れる濃度で各候補因子を培地に添加しC. albicansを培養したのち、RNAシーケンシングを行った。 候補因子処理群とコントロール群のサンプルから得られた発現量を比較し、各候補因子処理群において発現量が増加または減少した発現変動遺伝子を検出した。候補因子①においては、コントロール群と比較し8倍以上が328遺伝子、1/8以下が245遺伝子検出された。 候補因子②においては、コントロール群と比較し8倍以上が157遺伝子、1/8以下が397遺伝子検出された。 ここから明らかになった発現変動遺伝子が、本菌の代謝経路や制御系などにどのような影響を与えているかを次年度にかけて詳細に解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
RNAシーケンシング解析により統計的に発現変動を示した遺伝子を抽出できたが、それらの生物学的解釈のためのパスウェイ解析が途上である。 また、C. albicansへの菌糸形増殖抑制効果を確認済みの物質に関して、併行して研究を進めた。菌糸誘導パスウェイ上でキーとなる遺伝子の発現変動は明らかにできた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により、使用が必須となる試薬等の納期遅延のため、予定していたバイオフィルム状態のC. albicansに対する作用を検討するためのSEMによる形態観察が次年度に延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
RNAシーケンシング解析により抽出された遺伝子のパスウェイ解析を完了させる。さらに2回のRNAシーケンシング解析を行い、今年度の研究により抽出された遺伝子との相関性の確認を計画している。 C. albicansへの菌糸形増殖抑制効果を確認済みの物質に関して、バイオフィルム状態のC. albicansに対する作用も検討するため、SEMによる形態観察を行う。
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