研究課題/領域番号 |
19K10328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
豊福 明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯科心身症 / 舌痛症 / 非定型歯痛 / 口腔セネストパチー / 咬合異常感 / 三叉神経 / 口臭恐怖症 / Phantom bite syndrome / 脳画像研究 / 脳機能画像研究 / 中枢-末梢機能連関 / 集学的治療 / 臨床症状 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、歯科心身症における末梢レベルの病態の再検討と中枢の機能回路との関係性、 すなわち中枢-末梢機能連関(brain-mouth interaction)を明らかにし、より効果的な集学的治療に結びつけるため脳画像も含めた臨床データをもとに下記の研究を行う。 1)歯科心身症の臨床症状と三叉神経の構造的関連性の検討、 2)本症に特有な末梢-中枢神経回路網の探索、 3)本症の中枢-末梢機能連関に対する集学的治療の方向付け
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研究成果の概要 |
歯科心身症の末梢レベルの病態の再検討と中枢との機能回路のとの関係を明らかにするため、特に非定型歯痛と口腔セネストパチー患者における三叉神経の血管接触を検討した。その結果、いずれも症状を発症した患側に約半数で神経血管接触を認めたが、それがない患者の方がより多彩な訴えを有していた。 この結果から、本症は末梢の関与は無視できないもののより複雑な中枢性病態の関与が示唆された。さらに高次中枢の病態の検討を進めるため、拡散テンソル画像解析の準備を整え、専門家の協力体制も構築しその解釈を慎重に進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯科心身症の生物学的背景としての三叉神経と血管との接触については、これまで全く報告がなく、本研究で初めて明らかにされた。本症は三叉神経痛とは病態の機序が異なるが、末梢神経への機械的刺激や構造的変化が中枢に及ぼす影響も今後検討される必要性を示した。また実臨床においても、患者や家族に「気のせいではない」「すべてではないが何か神経系の原因があるかもしれない」とより科学的な説明が可能となり、「何の病気かわからない」「治療法もない」といった不安の軽減に役立つことも経験されている。また、BDJなど欧米の権威ある歯科雑誌にも研究成果を含んだletterを投稿し、毎年採用されている。
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