研究課題/領域番号 |
19K10349
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
野上 堅太郎 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50389417)
|
研究分担者 |
豊福 明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
谷口 省吾 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70179836)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 星状神経節ブロック / 知覚異常 / 遺伝子多型 |
研究開始時の研究の概要 |
顎口腔領域の手術後等に発症する知覚異常が長引くと患者のQOLを大きく損なう。我々は以前の研究で下歯槽神経知覚異常に対して星状神経節ブロックを施行した結果、有意に改善が認められたが、その治療効果の程度には個体差があった。近年、神経障害性疼痛を含む末梢神経障害の発生脆弱性に遺伝子多型が関わることが報告されており、我々は治療効果の個体差は患者の遺伝子多型による治療への感受性の違いではないかと考えた。本研究では、遺伝子多型と顎口腔領域の知覚異常に対する星状神経節ブロックの治療効果の相関を明らかにすることを目指す。
|
研究実績の概要 |
被験者の遺伝子多型と各症状について統計解析中を行った。評価項目はCPT2kHz CPT250Hz、CPT5Hz、RCPT2kHz、RCPT250Hz、RCPT5Hzの6項目に加えて、SWとVASの計8項目とした。全ての値は平均値±標準偏差で示した。SNP(OPRM1_rs1799971、OPRM1_rs9384179、ARID1B_rs502281、ZPLD1_rs2063640、METTL4_rs2677879)の解析結果をmajor/major=2、major/minor=1、minor/minor=0とカテゴリー変数の順序変数に置換した。治療の効果は上記の評価項目の連続変数における術後から治療後の差分および変化率とした。各一塩基多型間のデータの検定(評価項目)は一元配置分散分析、カテゴリー変数が2つしかない場合は対応のないt検定を行った(OPRM1_rs9384179)。一元配置分散分析で有意差が認められた項目に対しては多重比較検定として、ボンフェローニ法を実施した。有意水準は、ボンフェローニ法を行った項目に関してはp<0.05/3、それ以外の項目はp<0.05とした。治療効果とSNPの相関をスピアマンの順位相関係数にてρを求めた。 OPRM1_rs1799971、ZPLD1_rs2063640、METTL_rs2677879の3つのSNPはVASとの間に有意な負の相関関係が認められた。また、カテゴリー間おいてもカテゴリー0と比較して、1および2に有意に改善を認めた。ARID1B_rs502281のSNPはCPT5Hzの差分に変化率に有意な負の相関関係が認められた。OPRM1_rs9384179に関しては、R-CPTの250Hz, 5Hzの差分および2kHz, 250Hz, 5Hzの変化率において、カテゴリー0と比較して、1に有意に改善を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抽出されたゲノムDNAより一塩基多型(SNP)を含む領域をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、増幅産物のダイレクトシーケンシング法によりSNPの分析を行った。OPRM1_rs1799971、ARID1B_rs502281、ZPLD1_rs2063640、METTL4_rs2677879のPCRはTaKaRa Ex Taq; Hot Start Version(TaKaRa)を用いて増幅した。PCRサイクルは 95℃、5分間の初期熱変性の後、熱変性95 ℃、30秒、アニーリング60 ℃、30秒、伸長反応72 ℃、30秒で35サイクル行い、最終伸長を72 °C、5分間で行った。OPRM1_rs9384179のPCRは PrimeSTAR; GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いて増幅した。PCRサイクルは熱変性98 ℃、10秒、アニーリング60 ℃、30秒、伸長反応68 ℃、30秒で30サイクル行った。PCR産物は、エチジウムブロマイドで染色した2%アガロースゲルで分離し、増幅の確認を行った。増幅の確認後、PCR産物はAgencourt AMPure XP; Kit (BECKEMAN COULTER)を使用し、残存しているdNTPs、PCR Primer、プライマーダイマーの除去を行った。精製後のPCR産物はBigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)の手順に従い、3730xlDNA Analyzer(Applied Biosystems)を用いてダイレクトシーケンスを行い、塩基配列情報を取得した。
|
今後の研究の推進方策 |
上記の結果を今後論文化する。
|