研究課題/領域番号 |
19K10353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡本 圭一郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50382338)
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研究分担者 |
黒瀬 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (40397162)
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
佐藤 努 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80334655)
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 疼痛 / 咬筋 / ストレス / 口腔顔面痛 / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 運動 / トレッドミル / マウス / 慢性痛 / うつ / 不安 / 痛み / ストレス誘発痛 / 社会的敗北ストレス / 下行性疼痛制御系 / c Fos / 侵害応答 / 大縫線核 / 運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
心理ストレスは痛みを増大する。歯科領域でよく見られ、慢性痛を主症状とする顎関節症もストレスが危険因子である。本研究ではストレスが誘発する顔面痛の脳メカニズムを解明する。特に痛み調節の脳内メカニズムである、下行性疼痛制御系に対するストレスの影響に着目する。下行性疼痛制御系の主役は、延髄に位置する大縫線核である。そして大縫線核の機能を変調させる上位脳から側坐核を取り上げる。側坐核は、やる気の中枢である。そしてストレス状態での、やる気の減退は側坐核の機能低下である。本研究では、ストレス誘発性の顎顔面痛を大縫線核の機能変化であると位置づけ、同部を制御する上位脳から側坐核の関わりを明らかにする。
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研究成果の概要 |
日常的なストレス管理は慢性痛を制御するために重要である。一方、ストレスは日常的な存在であることからストレス管理は生活習慣に根ざした方法がのぞましい。本課題は身体的運動を用いたストレス制御が、顎関節症など歯科的な慢性痛を軽減できる可能性を予想し、モデル動物用いた検討を行った。その結果、連日のトレッドミル走(低強度、10日間)が、ストレス誘発性の咬筋痛を軽減できることを明らかにした。またストレスは上部頸髄の神経細胞の興奮性を増大させるが、トレッドミル走によって軽減できることを明らかにした。以上より運動は、頸髄を含む中枢神経系の機能発現に介入し、ストレス誘発痛を軽減できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会生活を営む我々は、ストレス状態を回避することは、ほぼ不可能である。となると日常的なストレス解消が、ストレスに関連する健康障害を軽減または予防する上で重要である。そしてストレスが日常的な存在であることから、ストレス解消法は簡便な方法が望ましい。本課題は低強度の運動療法が、ストレス誘発性の顎顔面部の慢性痛を軽減できることをモデル動物において明らかにした。さらに運動が顔面痛に関与する中枢神経領域の興奮性を軽減したことから、身体的な活動が、脳神経系に介入し、ストレス誘発性の変調を改善できこと、そして、異なる役割を担う脳領域が、別の脳機能を調節できることを示唆できた、という点で意義深い。
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