研究課題/領域番号 |
19K10357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2021-2022) 岡山大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
前田 茂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50253000)
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研究分担者 |
樋口 仁 岡山大学, 大学病院, 准教授 (30423320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オピオイド受容体 / 脳虚血 / 炎症 / サイトカイン / オピオイド / 全身麻酔 / アポトーシス / マイクログリア / 中枢神経系 / interleukin-6 / 周術期 / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
2019年度は,主に周術期脳虚血モデルの記憶力の評価,および脳のサンプルから炎症とアポトーシスの評価を行い,それに対するDORアゴニスト(SNC80)の効果について調べる。 2020年度以降は,主に培養細胞を用いた実験を行う。OGDにおける培養ミクログリア(MG6)の炎症およびアポトーシスに関わる反応と,それに対するSNC80の効果を調べる。また,SNC80の抗炎症および抗アポトーシスに関わる細胞内シグナル伝達の機序を,cAMP合成抑制とリン酸化を中心として解明する。
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研究成果の概要 |
私たちは全身麻酔薬として広く使われているレミフェンタニルは中枢神経系に対して抗炎症作用があることを示しましたが,この研究ではオピオイド受容体の中でも特にδ受容体に注目し,その特異的な作動薬と拮抗薬の作用を培養細胞によって調べました。結果として,嫌気的環境では炎症反応が増強され,培養細胞においても動物と同様の反応が再現されていました。またオピオイドδ受容体の作動薬と拮抗薬のいずれにおいてもむしろ炎症反応を増強する傾向があり,各オピオイド受容体の作用のバランスが乱れることが総合的に炎症反応を増強している可能性が考えられました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちは高齢者の術後せん妄や認知機能の低下は,手術に伴う炎症反応の中枢神経系への波及と,循環動体の変動による一過性の脳虚血の相乗作用による中枢神経系の炎症反応ではないかと考えています。全世界で麻酔薬として使われているレミフェンタニルにより中枢神経系の炎症反応がコントロールされることもわかり,本研究では新たにδオピオイド受容体の関連について調べました。その結果,δ受容体は作用と阻害のいずれにおいても炎症反応を増強することがわかりました。これらの結果から,δ受容体は中枢神経系の炎症反応に関して直接的な作用を有するのではなく,間接的に複数の作用をもつことが考えられました。
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