研究課題
基盤研究(C)
本研究において、我々は口腔癌幹細胞の細胞特性を有するCD133陽性細胞やSide population陽性細胞におけるPD-L1発現の解析を行う。さらに当科で加療した口腔癌患者の生検組織における口腔癌幹細胞ニッチにおけるPD-L1発現と患者の病態や再発転移や予後などの臨床的経過について検討を行い、口腔癌幹細胞ニッチにおけるT細胞抑制性リガンドPD-L1の発現動態と病態解析を行う。
本研究において、口腔癌幹細胞の細胞特性を持つ放射線耐性株(LDR-A431, HDR-A431)を樹立し、IGF2及びPD-L1遺伝子を解析した結果、親株と比較してLDR-A431は、IGF2を約30倍、PD-L1を約10倍遺伝子発現が上昇していた。また、Western blot法により、親株と比較してLDR-A431ではIGF2が 約2.5倍、PD-L1では約2倍の蛋白発現の上昇を認めた。以上の結果から、口腔癌幹細胞の細胞特性を持つ放射線耐性株の成立、維持には、IGF2とPD-L1の2つの因子が関与している可能性が示唆された。
癌幹細胞は、非癌幹細胞より生存能力が高く、その自己複製能により少数の細胞から再び腫瘍を形成する能力を有し、再発や転移巣の起源となるため、癌幹細胞に対する治療効果が癌患者の予後に大きく影響を与えている。したがって、治療成績を向上させるためには、癌幹細胞の制御が重要である。本研究成果から、癌幹細胞ニッチにおいても非癌幹細胞と同様なPD-1/PD-L1免疫チェックポイントシグナル伝達による免疫抑制機構が働いており、その制御機構にIGF2が関与していることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 2件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 1件)
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