研究課題/領域番号 |
19K10364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
村上 幸生 明海大学, 歯学部, 教授 (00286014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レドックス / 酸化還元 / 転写因子 / 抗酸化剤 / フェノール関連化合物 / 歯学 / 抗酸化性フェノール / Redox感受性転写因子 / 炎症反応 |
研究開始時の研究の概要 |
Redox感受性転写因子はラジカルの酸化的攻撃により活性化され、慢性炎症や悪性新生物の発生に関与することが知られている。自然食品等に含まれるフェノール関連化合物は抗酸化作用を介して多くのredox感受性転写因子の活性化調節作用を持つことが考えられるため、これらの疾患の防御に働くと思われる。本研究は自動酸化し難い抗酸化性フェノール関連化合物の生物学的活性を化学量論的に探査し、効率良くredox感受性転写因子活性化の分子生物学的調節作用を検討し慢性炎症や悪性新生物の治療に役立てようとするものである。
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研究成果の概要 |
Eugenol、bis-eugenolなどの抗酸化性フェノール関連化合物、構造体中にフェノール環を有し可視光線による励起作用があるtetracycline(TC)を使用してLPS刺激培養細胞の炎症性生理活性物質産生や酸化還元感受性転写因子活性化調節作用について検討した。TCに可視光線照射すると抗炎症作用が強く出現しHO-1発現を誘導した。HO-1発現はbis-eugenolがもっとも優勢に誘導し、転写因子Nrf2の活性化を強く導くことを発見した。抗酸化性フェノール関連化合物の抗炎症作用は炎症関連転写因子だけでなく、求電子剤/抗酸化剤応答エレメント転写系の増強にも起因する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化還元感受性転写因子であるNF-κB、Nrf2等は炎症や酸化ストレスで活性化され、生活習慣病を引き起こす素因になると考えられており、その活性制御の不良により炎症性疾患や悪性新生物が発症する。それゆえ、今回の研究成果は抗酸化性を有するフェノール関連化合物等の酸化還元感受性転写因子の活性化調節のメカニズムの一端を解明し光線化学療法(PDT)や創薬に重要な役割を果たすと考える。昨今の天然資源の健康食品や医薬品への応用が報じられている中で、転写因子活性化調節作用を担うフェノール関連化合物を始めとした抗酸化性化合物を探査することはPDTを含めた多くの難治性口腔疾患の新たな治療を導くものと考えられる。
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