研究課題/領域番号 |
19K10386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00421313)
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研究分担者 |
加藤 大樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30452709)
増田 啓次 九州大学, 大学病院, 講師 (60392122)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 歯髄幹細胞 / 染色体異常 / クラインフェルター症候群 / 神経分化 / ミトコンドリア / 発達障害 / 歯髄肝細胞 / 乳歯歯髄幹細胞 / X染色体 |
研究開始時の研究の概要 |
X染色体を複数持つ男性に発症するクラインフェルター症候群では、生殖不全と発達障害が見られる。しかし、過剰なX染色体を起因とする発達障害の発生機序は不明のままである。そこで、本研究では発達障害の発生機序の解明を目指し、容易な培養と多分化能を持つヒト脱落乳歯歯髄幹細胞(SHED)を活用する。①クラインフェルター症候群患児より分離したSHEDから、ゲノム編集により過剰なX染色体を除去する。②クラインフェルターSHEDとこの修復したSHEDを神経細胞に分化誘導する。③神経の形態と機能を多面的に比較解析する。これにより、クラインフェルター症候群で起こる神経細胞分化能の異常を細胞生物学的に解明する。
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研究成果の概要 |
X染色体を複数持つ男性に発症するクラインフェルター症候群(KS)では、生殖不全を始め発達障害等の症状が見られる。しかし、過剰なX染色体を起因とする発達障害の発生機序は不明のままである。今回、発達障害を持つKS患児よりヒト脱落歯髄幹細胞(SHED)が分離できた。分化誘導したKS-SHEDは神経分化に異常を示すことが分かった。神経の分化に影響するミトコンドリアの解析を行い、ミトコンドリアのタンパク質の減少と膜電位の低下を明らかにした。一方でSIRT1遺伝子の発現低下が観察され、KSにおけるミトコンドリア活性の低下や神経分化異常への関連が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
調整や神経分化が容易なSHEDを染色体の異常を保ったままクラインフェルター患児から分離できたことは、発達障害の病態解明の資源としての役割は大きい。また、本実験ではこれを用いてクラインフェルター症候群の神経において,発達の異常とタンパク質減少を伴うミトコンドリア活性の低下を始めて明らかとした。さらに、ミトコンドリアと関係のあるSIRT1を始めとするいくつかの遺伝子の発現の変化を明らかとしており、病態の解明と薬剤の選択の糸口となることが期待される。
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