研究課題/領域番号 |
19K10398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東堀 紀尚 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50585221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 口蓋裂 / 先天異常 / エピジェネティック / ヒストンメチル化酵素 / 神経堤細胞 / 顎顔面発生 |
研究開始時の研究の概要 |
口唇裂・口蓋裂は、600人に一人と高頻度に認められる先天異常疾患である。遺伝的要因と環境要因との相互作用によって発症する多因子疾患であるが、発症メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究は、神経堤細胞という顎顔面の発生に重要な細胞のみにヒストンメチル化酵素Setdb1をノックアウトさせ、口蓋裂を発症させたマウスを実験モデルとして用い、口蓋におけるSetdb1を中心としたエピジェネティックな遺伝子制御メカニズムを解明し、口蓋裂の発症要因の解明、予防法の開発等の臨床応用への基盤となる研究を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
近年、口蓋裂をはじめとする先天異常の発症にエピジェネティック制御機構が関与していると報告されている。本研究は、エピジェネティック制御機構の一つであるヒストンのメチル化に関与している酵素 (SETDB1)の異常が口蓋発生にどのような影響を与えているかを検討することを目的とした。 顎顔面領域の骨や軟骨へと分化する神経堤細胞由来の細胞に対し、Setdb1を特異的に欠失させたマウスを解析したところ、すべての胎仔に口蓋裂を認めた。細胞の増殖能の低下および口蓋発生に重要と考えられている遺伝子群の発現が低下が、口蓋裂発症の要因と示唆され、エピジェネティック制御機構が口蓋発生に重要である所見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口唇裂・口蓋裂は、高頻度(1/600人)にみられ、その治療には、矯正歯科医を始め、小児歯科医、口腔外科医、形成外科医、言語療法士など、様々な専門家による長期に渡る治療が必要であり、患者、またその両親の身体・精神・経済的負担は大きい。従って、分子生物学見地から口唇裂・口蓋裂の発生機序をより良く解明する事は、発症率および症状の軽減をはかり、患者の負担の軽減につながる。また、従来よりがんと先天異常は共通したシグナルを介することが多いとの報告からも、本研究から得られる知見は顎顔面領域の発生だけでなく、がん研究など他分野の研究にも応用が可能と考えられ、医学全体に多大な進歩をもたらすものと考える。
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