研究課題/領域番号 |
19K10405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植田 紘貴 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10583445)
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研究分担者 |
石原 嘉人 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (70549881)
亀田 雅博 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(講師) (50586427)
内部 健太 広島大学, 医系科学研究科, 准教授 (20584618)
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 組織血流量 / 迷走神経刺激 / フレイル / 唾液 / 顎口腔機能 / 唾液腺 / 認知機能 / 骨形成能 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症と骨粗鬆症が複合して進行するフレイルは、地域・在宅医療で最大の割合を占めるが、根本療法はなく、骨壊死や多剤併用による副作用が問題となっている。近年、骨粗鬆症において、自律神経系の副交感神経が骨形成の促進に関与する因子の一つであること、認知症の進行に副交感神経系の機能低下が関与していることが報告されているが、その詳細は明らかでない。研究代表者らは、先行研究で副交感神経の電気刺激が顎口腔機能(嚥下・唾液分泌)の促進に有効であることを明らかにした。この知見を発展応用し、副交感神経刺激が骨形成と認知機能の促進に有効であるのではないかと考え、モデル動物を用いて検証する。
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研究成果の概要 |
迷走神経刺激が唾液腺の分泌機能を促進する知見を発展応用し、自律神経系の副交感神経の電気刺激が、顎口腔領域の唾液腺および咬筋、下顎骨骨膜の組織血流量に及ぼす影響を明らかにすることを目的に、げっ歯類を対象に迷走神経刺激を行った。その結果、迷走神経刺激により誘発される唾液腺組織血流量と唾液分泌は緊密な関係があり、ムスカリン受容体を介した組織血流量の制御機構の存在が示唆された。さらに、迷走神経刺激が骨膜の組織血流量に影響を及ぼすことが示唆された。迷走神経刺激が咬筋の一過性の組織血流量の低下を生じさせる機序や下顎骨骨膜の組織血流量に影響を及ぼす生理的意義については今後さらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
迷走神経刺激によって誘発される唾液腺組織血流量と唾液分泌量の間には緊密な関係があり、ムスカリン様受容体を介した各器官の組織血流量の制御機構の存在が示唆された。一方、迷走神経刺激が咬筋に組織血流量の低下を生じさせる機序や下顎骨骨膜の組織血流量に影響を及ぼす生理的意義については、今後さらなる研究が必要である。本研究成果は超高齢社会を迎えた本邦において、加齢変化による口腔乾燥(唾液分泌の低下)やフレイルに伴う組織血流量の低下に対して、薬剤による対症療法ではなく、副交感神経系の賦活化による生理学的な機構を通じた顎口腔機能の制御を可能とする根本療法の開発の基盤となる知見を得ることができたと考えられた。
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