研究課題/領域番号 |
19K10411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
佐々木 会 明海大学, 歯学部, 講師 (60580230)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 矯正治療 / 痛み / 開口反射 / 動物実験モデル / 歯牙移動 / 歯骨細胞 / 動物モデル / 開咬反射閾値 / 開咬反射 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では,動物実験モデルを用いた歯の移動を妨げない新規疼痛管理薬物の探索と投与スケジュールの立案を行う.これは,各種の薬物投与が開口反射誘発閾値変動,歯の移動量,多核破骨細胞浸潤,神経組織変性と合わせて評価することで可能である. 本モデルでは,開口反射誘発閾値が矯正力負荷1週間後,ならびに,アスピリン投与1日後に矯正側よりも非矯正側で低下していることが認められた.歯矯正力が侵害受容機構の変調に寄与していることを示唆しており,矯正力が全顎的に負荷されるヒトに於いてはより広範かつ大きな変調の誘発が推測される.このことから矯正力負荷に由って生じる侵害受容機構変調の詳細を検討することを目的とした。
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研究成果の概要 |
歯の移動に不可欠な破骨細胞由来の酸刺激に着目し、TRPV1拮抗薬の投与が開口反射閾値に及ぼす影響を検討した。TRPV1拮抗薬の全身投与は、歯の移動に伴う疼痛を制御することが可能であるが、炎症性サイトカインの発現抑制がアスピリンよりも著しいことが確認された。また、同実験モデルを用いて、疼痛緩和の代替療法で使用されるlow level laser therapy(LLLT)が歯の移動に伴う疼痛の制御に有効で、その急性作用にもTRPV1拮抗が関与することも明らかになった(Tsuchiya et al. Front Neurol. 2020 doi: 10.3389)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請の特色は、矯正処置によって生じる疼痛をやわらげ、骨の代謝に影響しない鎮痛薬の探索をおこなう点である。今回研究を進めたことにより、痛みは装置装着後1日目で発現し、7日目には痛みが消失。骨を溶かす細胞数は1日から7日目にかけ増加し、歯の移動量も同様に7日目で最大移動量を示すことも報告した。また、鎮痛薬としてアスピリンの投与が痛みに及ぼす影響を検討した。アスピリンの投与により、痛みは減少し、骨を溶かす細胞も減少した。このような結果は疼痛の原因解明ならびに治療法確立に貢献する可能性も高い。以上から本研究は、矯正患者を苦痛から少しでも解放するために非常に重要なアプローチであったことが考えられた。
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