研究課題/領域番号 |
19K10434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 福岡看護大学 |
研究代表者 |
青木 久恵 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (70526996)
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研究分担者 |
晴佐久 悟 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10330961)
中島 富有子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (80592980)
内藤 徹 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10244782)
黒木 まどか 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (00582214)
樗木 晶子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (60216497)
門司 真由美 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (80527002)
三好 麻紀 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (00595259)
児玉 百代 福岡看護大学, 看護学部, 助手 (40824511)
加峯 奈々 (中島 奈々) 福岡看護大学, 看護学部, 助手 (40842563)
国崎 裕子 福岡看護大学, 看護学部, 助手 (60846575)
原 やよい 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (40807096)
竜口 清美 福岡看護大学, 看護学部, 助手 (90846578)
中西 真美子 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (50766821)
窪田 惠子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20309991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 口腔機能 / オーラルフレイル / 口腔アセスメント / 口腔ケア / 口腔機能低下症 / 歯科連携 / 病院機能 / 多職種連携 / 看護教育 / 摂食・嚥下 / 口腔機能訓練 / 看護実践能力 / 口腔フレイル / 口腔機能検査 / 摂食嚥下 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔ケアによる摂食・嚥下機能の維持・改善は、肺炎の発症予防だけでなく、栄養状態の改善、疾病の回復促進などの効果が確認されている。しかし、口腔機能の診断や介入の方法については未だ確立されていない。そこで、口腔機能低下症の診断において、看護師・介護福祉士・歯科医師・歯科衛生士の多職種連携が可能かを検討する。さらに多職種連携による口腔機能改善プログラムの作成とその介入における効果について検証することを目指す。このプログラムが効果的に実施されることにより、口腔機能低下症を改善し、高齢者の口腔疾患・肺炎予防、フレイル・サルコペニアの予防、QOLの向上、健康寿命の延伸などに繋がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
高齢者の口腔機能に関するアセスメントおよび口腔ケアの実施状況について、2022年度に一般病院に勤務する看護師508名を対象に調査した結果に基づき更なる分析を行った。 オーラルフレイルおよび口腔機能低下症に関する認知度と、口腔機能に関するアセスメントおよび口腔ケアの実施度との関連について分析を行った結果、認知度が高い看護師は低い看護師よりも実施度が高いことが明らかとなり、知識・技術の普及の必要性が示唆された。また所属病院の機能(急性期・回復期・慢性期の3区分)との関連については、急性期で口腔機能アセスメントおよび一部の口腔マッサージの実施度が高く、一時的な口腔機能のトラブルが発生しやすいという入院患者の特徴および周術期の口腔機能管理も伴う歯科連携の関与が示唆された。慢性期では全体的に口腔ケアの実施度が高く、慢性的な障害やADLおよび嚥下機能の低下などによる継続的な口腔機能訓練が求められていることが推察された。歯科連携の区分(院内連携・院外連携・連携なしの3区分)との関連では、院内連携で舌苔付着、口腔粘膜湿潤状態、唾液量・質・EAT-10に関するアセスメントの実施度が高く、歯科専門スタッフとの連携や診療報酬算定の影響が示唆された。一方連携なしでは院外連携よりも残存歯数・義歯の状態、RSSTのアセスメントの実施度が有意に高く、口腔機能障害を有する入院患者の特性が影響していることが示唆された。これらの結果から、口腔機能低下の早期発見および機能の維持・向上を図るためには、病院看護師の活動の促進に向けた教育とともに、診療報酬などの政策による支援の必要性が示唆された。 口腔機能の維持・向上に向けた啓発活動の一環として、大学との共催にて口腔ケア研修会(第2回)を開催し、26名の参加者に口腔機能に関するアセスメントおよび口腔ケアの基礎的な知識・技術について教授し、好評を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は主に一般病院に勤務する看護師が高齢者の口腔機能に関するアセスメントおよびケアの認知度と実施度に関する調査結果についての分析を行った。看護師・ 歯科衛生士・歯科医師の3職種における口腔機能検査の比較検討については、新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの影響による感染防止意識の高まりから、一般市民のマスク着用率が高く高齢者に対する口腔機能検査の実施が困難であった。そのため「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
看護師におけるオーラルフレイルおよび口腔機能低下症の認知度、高齢者の口腔機能に関するアセスメントおよびケアの実施度について、調査対象を高齢者施設に勤務する看護師に拡大し、所属施設による相違点について明らかにする。また、看護師・歯科衛生士・歯科医師の3職種による口腔機能検査を実施し、検査結果の比較から専門歯科スタッフ以外の検査の実施の妥当性について検証する予定である。検査対象者の選定については、感染防止の観点から一般高齢者および高齢者施設入所者の協力が得られにくい現状が続いている。そのため対象者を病院に勤務する職員とし、口腔機能低下症の診断における多職種連携の可能性について検討する。
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