研究課題/領域番号 |
19K10439
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 新潟大学 (2021-2023) 東京女子医科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
竹原 祥子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60622438)
|
研究分担者 |
植野 正之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70401388)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | コモンマーモセット / 霊長類 / 唾液αアミラーゼ / 認知機能 / ストレス / 老齢歯学 / 加齢モデル / セファロ分析 / 顔面 / 成長 / 咀嚼 / 口腔内細菌 / メタゲノム解析 / 予防歯科 / 口腔内細菌叢 / 真猿類マーモセット / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの口腔内細菌叢のコントロールによる病気の予防は、新しい予防医歯学の中心命題となる。口腔内細菌叢においては生理機能との関連など不明点が多く、全身の健康維持における重要性が十分に認識されていない。本研究で用いる真猿類コモンマーモセットは、平均寿命14年で、ヒトでは20-30年かけて起きる口腔内の加齢変化が2-3年で観察され、ヒト老化の歯科研究モデルとして最適である。本研究の目的は、マーモセットを使って、口腔内細菌叢・代謝産物プロファイル作成により、口腔環境の分子的特徴を明らかにし、腸内細菌叢との比較解析により、口腔内細菌叢と全身の健康維持、身体機能との関連を調べることである。
|
研究実績の概要 |
<背景>本研究の目的はヒトの口腔疾患モデルとしてのマーモセットの有用性を評価し、口腔疾患モデルを確立することである。我々はコモンマーモセットにおいてストレスに反応して、唾液中のαアミラーゼ濃度が上昇すると仮説をたて、バイオマーカーとしてのαアミラーゼ活用の可能性を評価することを目的とした。 <方法>対象としたのは研究用コモンマーモセット13頭である。高齢マーモセット(10-13歳, n=8)と超高齢マーモセット(15-22歳,n=5)の2群にわけて検討を行った。 物体認識テスト(ORT: Object Recognition Test):高齢の個体においては認知機能が低下し、それがαアミラーゼ分泌と関連しているのではないかと仮説を立て、ORT (Winters et al., 2008)を用いて認知機能を調べた。ORTとは動物の物体認識能を評価するのに広く用いられる手法である。テストは2段階のフェーズに分かれている。フェーズ1:ケージの中に物体aを入れ、マーモセットに10分間自由に観察させる、フェーズ2:6時間後、ケージの中にフェーズ1で用いた物体aと新しい物体bを入れるの2フェーズである。コモンマーモセットは新しい物を好む傾向があることから、物体a,bのそれぞれの近くにいる時間を比較することで、物体を認知しているかどうか(認知能)を評価した。 <結果> 物体認識(ORT)テストの結果、物体a(馴染みのある物体)の周囲にいたのは3.59 ± 4.04 secで、物体b(新しい物体)では15.01 ± 25.59 secであった。本結果はマーモセットが新しい物体を好む性質と一致していた。対象の全13頭のコモンマーモセットにおいて、6時間後も新しい物体を認識できていた。以上の結果より、本研究対象となったコモンマーモセットには認知機能の低下が認められなかった。また性差も認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2次データの解析を行ない論文発表をすることができた。マンパワーの関係で申請当初のスケジュールからは遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究最終年度の2024年度においては新たな実験をするのではなく、すでに収集したデータの再解析、生理学の専門家とのディスカッションをするなど、すでに収集したデータの多面的な解析を行う。得られた成果は論文にまとめる予定である。
|