研究課題/領域番号 |
19K10467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
井手 均 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (10795537)
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研究分担者 |
福原 正代 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90360057)
藤井 航 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50387700)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50316155)
中道 郁夫 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60419570)
藤澤 律子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50419587)
大田 祐子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90610973)
吉成 匡人 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50894896)
小森田 祐二 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10816218)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 口腔機能低下症 / シスタチンC / サルコペニア / フレイル / クレアチニン / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
口腔機能低下症の診断には、専用の機器や診断に習熟したスタッフが必要であり、プライマリケアレベルで日常的に行うことは難しく、スクリーニングとして有用な簡便な指標の開発が望まれる。本研究は、腎機能マーカーである血清クレアチニンと血清シスタチンCを用いて、血清クレアチニン/血清シスタチンC比が口腔機能低下症、あるいはその下位症状と関連するかを明らかにすることにより、プライマリケアレベルで実施可能な口腔機能低下症のスクリーニング法を開発することを目的とする。本研究で得られる知見は、口腔機能低下症患者の早期発見、早期介入に資するものと考えられる。
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研究実績の概要 |
口腔機能低下は、身体的フレイルやサルコペニアだけでなく、予後不良の危険因子でもあることが示されており、早期の診断ならびに介入が求められる。しかし ながら、プライマリケアレベルで口腔機能低下症の診断は難しく、またスクリーニング法も確立されていない。 本研究は、様々な背景を持つ40歳以上の中年者、高齢者を対象として、血清クレアチニン/血清シスタチンC比(Cr/CysC比)が口腔機能低下症、およびサルコペニアと関連するかを明らかにし、プライマリケアレベルで実施可能な口腔機能低下症のスクリーニング法を開発することを目標としている。 令和2-3年度(2-3年目)は、COVID-19の外来制限により研究対象者の登録が予定通り進んでいなかったが、令和4年度(4年目)は、感染防止策を講じつつ研究対象者の登録を開始した。データ収集とデータベースの構築を開始し、現在の登録済み研究対象者73名(平均年齢72歳、男性36名)を対象に中間解析を進めている。 サルコペニアは73人中18人、口腔機能低下症は41人が該当した。Cr/CysC比は、口腔機能低下症とは有意な関係が見られなかったが、骨格筋指数(SMI)とは有意な正の相関が見られた。Cr/CysC比と口腔機能低下症の下位症状との関連については、Cr/CysC比は舌圧と正の相関があり、多変量調整後も統計学的に有意であった。Cr/CysC比を3分位に分類したところ、Cr/CysC比が最も高い群に対して最も低い群では、低舌圧のリスクが7.81倍(p=0.02)と有意に高くなっていた。また、同様にCr/CysC比が最も低い群では、舌口唇運動低下のリスクが10.94倍(p=0.04)と有意に高くなっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外来患者を対象とした臨床研究で有り、COVID-19による診療制限や、患者数の減少により、研究対象者の登録およびデータ収集の開始が遅れていた。本研究は、既報(オーラルフレイルの有病率16%)に基づき、口腔機能低下症50症例を目標として全体で300症例の登録を目指していた。しかしながら、中間解析では73例中41例が口腔機能低下症に該当し、予想より多くの口腔機能低下症例が登録されている。また、中間解析の結果をもとに、Cr/CysC比と舌圧の関連を論文化し、現在投稿中となっている。
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今後の研究の推進方策 |
九州歯科大学病院での研究対象者の登録は順調に進んでいるが、対象となる症例が少なくなっていることから、近隣の医療機関と連携し、さらに研究対象者を増やすことを検討している。症例数を増やしつつ解析をすすめ、学会発表および論文化を行っていく。これらにはさらに時間を要することから、研究期間の延長を申請した。
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