研究課題/領域番号 |
19K10476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
小島 美樹 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20263303)
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研究分担者 |
久保庭 雅恵 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00303983)
藤田 修三 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (20173429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 咀嚼 / 平均寿命 / 地域相関分析 / 共食 / 高齢者 / 口腔の自覚症状 / メタボリックシンドローム / う蝕 / 飲酒 / 肥満 / 口腔疾患 / 複合影響 / 口腔細菌 / 栄養 / 健診情報 / データマイニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、口腔と全身をつなぐ3つの影響要因「歯・口腔状態」「口腔細菌叢」「栄養・食生活」が全身に与える複合影響を、経年的に蓄積された医科・歯科の健診データと栄養と細菌についての調査データをもとに、データマイニング法(蓄積された大量のデータから有用な情報を見つける方法)を用いて解析する。3つの影響要因の全身に対する複合影響を明らかにすることにより、口腔と全身の健康との関係についての科学的根拠を強化し、口腔保健を通じた生活習慣病の予防対策において有用な情報を提供できる。
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研究実績の概要 |
今年度は、NDBオープンデータを活用して、口腔機能の複合状態である咀嚼と平均寿命との関係について地域相関分析を行った。厚生労働省の第8回NDBオープンデータのうち、特定健診質問票および検査項目(2020年実施分)の都道府県別性年齢階級別分布を用いて、咀嚼困難、服薬あり、生活習慣の状況、肥満(BMI≧25)の該当者割合を算出し、2020年10月1日現在の日本人人口を基準人口として、直接法により年齢調整を行った。咀嚼困難者は、食事をかんで食べる時に「かみにくいことがある」あるいは「ほとんどかめない」と回答した者とした。平均寿命は厚生労働省の2020年都道府県別生命表のデータ用いた。咀嚼困難者の割合と平均寿命および各項目の該当者割合との関連性を、ピアソンの相関係数(r)により分析した。さらに平均寿命を目的変数、平均寿命と有意な相関があった項目を説明変数として、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。咀嚼困難者の割合と平均寿命との間には、男女とも有意な負の相関がみられた(男:r=-0.50, p<0.001; 女:r=-0.44,p<0.01)。また、咀嚼困難者の割合と血圧薬服用、血糖薬服用、現在喫煙、肥満の該当者割合との間に、男女とも有意な正の相関がみられた(p<0.05)。重回帰分析の結果、平均寿命と関連する説明変数として選択された項目とその標準化係数(β)は、男性では、咀嚼困難(β=-0.24)、血圧薬服用(β=-0.35)、飲酒日2合以上(β=-0.43)、女性では現在喫煙(β=-0.32)、早食い(β=0.35)、肥満(β=-0.39)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行の拡大の影響で、健診の実施や唾液採取等が困難であったため、栄養データ、細菌データのサンプル収集が進んでいない。一方、事業所の医科・歯科健診情報のリンケージが終了しており、 口腔データと全身データの分析については、新たな分析方法を実施するために統計パッケージの追加購入を行い、おおむね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
健診における栄養データと細菌データの確保が難しいことから、研究計画を一部変更する。歯科と医科の健診情報のリンケージは終了していることから、口腔データと全身データの分析を主として、う蝕、歯周病、未補綴の複合状態とメタボリックシンドロー ム要因との関連について、共分散構造分析や時系列分析などの分析を実施して因果関係を追求する。また、厚生労働省のNDBオープンデータなどを活用して、個人のみならず地域における口腔と全身との関連についての分析を進める。
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