研究課題
基盤研究(C)
本研究では災害拠点・非災害拠点問わず全病院で使用可能なWEB版BCM診断・支援ツールの新規開発を目指し、1)日本全国の病院BCP策定状況の横断的調査、2)病院機能・病院種別のBCP・BCM基本構成要素の統計学的解析、3)病院BCP策定・BCM活動を容易に診断・支援できるWEB版ツールを開発し公開、4)病院BCP策定・BCM活動状況改善の評価・確認を行う。本研究によって各病院は災害時の事業継続における脆弱点の洗い出し、対策、訓練に容易に着手できるようになり、災害に強い地域医療体制の構築につながる。
2019年度、2020年度において病院BCPに関する歴史的地理的レビュー論文をTJEM誌に投稿し掲載された。国内外で策定される病院BCPの想定ハザードには地域特有の災害事象が想定されており地域差があること、歴史的推移において近年、水害、感染症をハザードとして位置づける病院BCPが多くなってきたことが判明した。2021年度は、豪雨水害に対する病院BCPにGIS的視点を加味して分析し病院事業継続に資する対応策に関して研究を進めた。国内災害拠点病院761病院中221病院(29.0%)、また非災害拠点病院7382病院中2044病院(27.7%)が洪水浸水想定区域内に立地していた。
文献的レビューから近年、水害、感染症をハザードとして位置づける病院が多くなった。GIS的視点からの分析では国内の災害拠点病院、非災害拠点病院とも約3割が洪水浸水想定区域内に立地することが判明し、近年頻発・激甚化する豪雨災害に対して日本の医療機関が脆弱であることが浮き彫りになった。非災害拠点病院のBCP策定も低調に止まっていることから、研究代表者の取り組む令和4年度文科科研「病院BCMに資する訓練支援」、令和3年度厚労科研「浸水被害も含めた病院BCPのあり方」研究において引き続き全国病院のBCP策定、BCM支援に努め、ガイドライン策定などをつうじて医療体制強靱化を図る必要がある。
すべて 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 5件) 図書 (2件)
The Tohoku Journal of Experimental Medicine
巻: 256 号: 2 ページ: 103-118
10.1620/tjem.256.103
130008159813
精神神経学雑誌
巻: 124 ページ: 184-191
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻: 18 号: 7 ページ: 1-14
10.3390/ijerph18073382
日本BCP白書2021
巻: -
地域ケアリング
巻: 23 ページ: 42-45
Journal of Disaster Research
巻: 15 号: 7 ページ: 900-912
10.20965/jdr.2020.p0900
130007949338
巻: 251 号: 3 ページ: 147-159
10.1620/tjem.251.147
130007871485
共済医報
巻: 69 ページ: 340-346
巻: 248 号: 2 ページ: 73-86
10.1620/tjem.248.73
130007661306
日本BCP白書2019
巻: 2 ページ: 86-87