研究課題/領域番号 |
19K10502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東北文化学園大学 (2021-2022) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
加賀谷 豊 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (90250779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 医学教育 / シミュレーション教育 / 心臓聴診 / オンライン学修 / シミュレータ / オンライン / 新型コロナウイルス感染症 / シミュレーション医学教育 / 心臓病診察シミュレータ |
研究開始時の研究の概要 |
心臓病診察シミュレータを活用し、心臓聴診法の異なる学習レベルにある学習者(医学科1年次学生、4年次学生および循環器を専門としない医師)のそれぞれに最も適した心臓聴診トレーニング・プログラムを開発する。我々が開発したトレーニング・プログラムを受講した学習者は、1年次学生27名、4年次学生973名、循環器を専門としない医師13名に達しており、全員に2つの異なる聴診テストを実施している。1回目はⅡ音、過剰心音、心雑音の何れに属する音かを知らせて心音を聴かせ、2回目は何れに属する音かを知らせずに聴かせている。これらの結果を活用し、学習者グループのそれぞれに最も適したトレーニング・プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究においては、医学科初年時から医師に至るまで、各段階に応じた効果的な心臓聴診トレーニングプログラムを開発することを目的としている。2022年度は、2021年度に引き続き新型コロナウイルス感染症が収束していないことを考慮して、東北大学医学部医学科の4年次学生を対象として、オンラインによる心臓聴診演習を行なった。トレーニング終了後、2回の異なる心臓聴診テストを実施した。2回目はより臨床現場に近い状況で音を出題した。また、本申請者が今までに実施した医学科4年次学生を対象とした対面でのシミュレータを用いたトレーニングの結果を総括し、これを心臓聴診ウェブサイトを用いてオンラインで実施した心臓聴診トレーニングの結果と比較した。1回目の聴診テストでは、Ⅱ音の呼吸性分裂においてオンラインで対面に比較して有意に正解率が低く、Ⅳ音、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症ではオンラインで有意に正解率が高かった。2回目の聴診テストでは、Ⅱ音の分裂なし、Ⅱ音の呼吸性分裂、Ⅲ音、Ⅳ音、大動脈弁閉鎖不全においてオンラインで対面に比べて有意に正解率が高かった。聴診テストの識別係数は、オンラインの1回目が0.42-0.59、2回目が0.28-0.90、対面の1回目が0.31-0.74、2回目が0.39-0.57であり、いずれも良好だった。オンライン実習後の学生へのアンケートでは、「音質は良かった」、「十分な知識が得られた」、「十分なスキルが身についた」、「クラスに満足した」に関して、90%を超える学生が、そう思う、もしくはややそう思うと答えた。音を聴くための手技や音源が異なることからオンライン心臓聴診トレーニングの結果をシミュレータを用いた対面での結果と直接比較することは慎重であるべきだが、オンライン聴診トレーニングは、対面実習が困難な状況では、有効な学修方法となりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症が収束しないため、今年度も対面のシミュレータを用いた心臓聴診トレーニングを行うことができなかった。替わりに心臓聴診ウェブサイトを用いたオンラインによる演習を行なった。このために研究の進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスは収束傾向にあるため、感染状況をみながら対面での心臓聴診トレーニングを実施していく予定である。また、研究最終年度であるため、対面およびオンラインによる心臓聴診トレーニングの結果を最終的にまとめると共に、心臓聴診トレーニング・プログラムの開発を完成させ、成果を公表する。
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