研究課題/領域番号 |
19K10510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齋藤 信也 岡山大学, 保健学域, 教授 (10335599)
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研究分担者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (20583090)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80372366)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ダブルエージェント / double agent / 医師-患者関係 / 医療経済学 / 費用対効果 / 配分的正義 / 経済的無益性 / 医師の裁量権 / 医師患者関係 / 医療資源配分 / 医療倫理 / 分配的正義 / ラショニング / rationing / Double agent / 医師 |
研究開始時の研究の概要 |
研究の目的は、「『医師』=Double agent」論が、我が国でどのような現象として現れているのかを明らかにし、それを医療倫理的観点から整理するとともに、医師のDouble agent性に、医療システムがいかなる影響を与えているのかを明確にすることである。具体的には、医師に対するフォーカス・グループ・ディスカッションと、Web調査によって、医師のDouble agent性が問題となるような各種場面を明らかにし、そうした行動規範上のジレンマについて、医師自らが「Double agent」性にどれだけ自覚的になっているかを検証する。
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研究成果の概要 |
医師は患者のエージェントという立場の他に、社会のエージェントでもある。この両者の軋轢について医師がどのように捉えているかを明らかにする目的で248人の医師を対象に調査を行った。日常診療の中で医療財政への負担のことを考えている医師が72%あった。また、純粋な医学的判断以外に医療費のことを75%が考慮していた。医療制度全体のことも考える必要があるが、90%であったのに対して、受け持ち患者の治療に、費用のことは考えず全力を尽くすべきが54%であった。多くの医師が、社会のエージェント的な考慮を行っていた一方で患者のエージェントの役割を強調するものも少なくなく医師のダブルエージェント性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究の結果から、我が国の医師は「医師の『ダブルエージェント』性」を認識しており、社会のエージェントとしての役割を引き受けていることが明らかとなった。このことは、医師は患者第一に行動するという大原則を前提に、社会からの要請を医療政策の中で実現するという、かなり困難な課題をこなしてゆける主体足りうることを、社会に向けて証明したと言える。このことは、今後の政策の推進に役立つ成果と考えられる。
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