研究課題/領域番号 |
19K10545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
早坂 明哲 日本医科大学, 医学部, 助教 (50516094)
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研究分担者 |
藤倉 輝道 日本医科大学, 医学部, 教授 (00238552)
根本 崇宏 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40366654)
藤崎 弘士 日本医科大学, 医学部, 教授 (60573243)
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 教授 (90267211)
井上 千鹿子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90453042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | PBLチュートリアル / 議事録解析 / 機械学習 / 医学教育 / PBLチューター / 討論議事録 / チュータースキル |
研究開始時の研究の概要 |
グループ学習の手法であるProblem-based Learning(PBL)チュートリアルのチューターは、グループ討論のファシリテータを担い討論の成果を左右する。チューターの振る舞いのバラツキはグループ間の学習成果に差を生じさせる要因であり、討論達成度を示すことでその差を減らせる可能性がある。そこでチューターに客観的な討論達成度を示し、自身のファシリテートを振返る情報をフィードバックするシステムを開発する。これは将来的には簡易な設備でPBLのアクティビティそのものを評価するシステムにつなげる基礎研究としたい。
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研究実績の概要 |
Problem-based Learning(PBL)チュートリアルのチューターは、グループ討論のファシリテータを担い討論の成果を左右する。チューターの振る舞いのバラツキはグループ間の学習成果に差を生むので改善が必要である。そこでチューターに客観的な討論達成度を示し、自身のファシリテートを振返る情報をフィードバックするシステムを開発することを目指してる。開発は次の手順である。(A)討論をビデオ撮影し、討論の様子とその議事録からシステム化を考慮した評価基準を決定する。(B)評価基準を前提に電子黒板に書かれた議事録を機械学習により分析して討論達成度をチューターにフィードバックするシステムを開発す る。 2022年度は、2021年度に実施予定であったPBLの議論を録画し、そのときの議事録に記録される情報を収集する計画であった。しかし、引き続いてCOVID-19の対応で学生の感染防止の配慮から授業形態が変更されたままであり、当初予定していた議論の録画ができず、実データの収集が困難であった。電子黒板やタブレットで手書き記録した議事録から、テキスト化するフローに着手し、開発システム内の処理を検討している。 引き続き、システム開発は可能な範囲で進めている。昨年度と同様に開発に必要な機械学習や深層学習の情報収集と、Pythonで効果的にデータを処理するために必要な情報の収集に努めた。2022年途中から話題のChatGPTのような自然言語処理にも着もし、開発システムとの対比もはじめた。 また、研究の途中成果を大学ICT推進協議会で報告予定であった。幻談段階で報告できるほどの成果を得ることができなかったため、苦渋であるが2022年度は報告を見送った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は2020年度から続いているCOVID-19の影響で、授業の予定、実施方法が大幅な変更が引き続き継続された。PBLチュートリアルは少人数とはいえ対面で数時間の議論が必な形態の授業である。特に本学は、PBLチュートリアルを実施する部屋の換気が、感染防止に十分と判断できないため対面での実施は中止された。代替えとして、ビデオ会議システムとオンラインの共有ホワイトボードを活用して実施した。PBLチュートリアル自体は実施したものの、通常の対面実施と比較すると十分な議論ができたとは言い難い。画面越しにコミュニュケーションはできたものの、発言に対するレスポンスが円滑とはいえ、発言のやりとりも十分とは判断できなかった。予定では、議論の様子の録画も含めた実データを収集する計画だったが、前述の状況や理由から、実データの収集は見送った。実データに影響のない範囲のシステム開発できる部分はすすめているが、実データの分析結果がシステム仕様の変更に影響することも想定される。また、ChatGPTのような機械学習や深層学習の技術の進歩が著しいく、自然言語処理の観点から、どのくらい対応や対比が可能が検討が別途必要となっている。前述の理由からシステム開発と研究全体の進捗を評価すると遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度~2022年度に予定していたデータ収集に関わる実施計画に基づき、PBLチュートリアルのデータ収集を実施する。2023年度は通常通りに授業が実施される予定であり、これまでの遅れを可能なかぎり取り戻す予定である。予備的な試みとして、電子的に保存された議事録のテキスト化に取り組んだ。得られたテキストデータの解析で工夫が必要なことがわかり、自然言語処理の部分に工夫が必要である。また、これに関連したことで話題のChatGPTの動向の調査が必要になったと考えている。技術的な部分で参考になるところもあるため、本課題のシステム開発に有用な技術について並行して調査する予定である。 引き続き、データ収集と並行してシステムの開発を進める。構築システムの機能には大きく分けると、1)手書き文字のテキストデータ化機能、2)チューターガイドの評価基準用データ化機能、3)課題テーマに関連した情報のデータ化機能、4)ソフトウェアのユーザインタフェースが必要となる。2)と3)については順次すすめており、これらの機能を大きなモジュールとして開発し、プロトタイプシステムの構築を目指す。
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