研究課題/領域番号 |
19K10575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 一般社団法人コミュニティヘルス研究機構 |
研究代表者 |
今井 堅吾 一般社団法人コミュニティヘルス研究機構, エンドオブライフ研究部, 研究部長 (10829188)
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研究分担者 |
山口 拓洋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50313101)
川口 崇 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (60548486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鎮静プロトコル / 苦痛緩和のための鎮静 / 鎮静の定義 / 調節型鎮静 / 持続的深い鎮静 / 安楽死 / 調節型鎮静プロトコル / 持続的鎮静プロトコル / 治療の標準化 / 安楽死との違いの明確化 / 再現可能な治療 / 意図を含まない定義 / 終末期の苦痛緩和 / 緩和ケア / 鎮静 |
研究開始時の研究の概要 |
死亡直前に通常の緩和治療が無効な苦痛が生じ、苦痛緩和のために鎮静薬の投与が行われることがある。現在鎮静の定義は「意図的な意識の低下」であり、同じ行為を鎮静と呼ぶか国や医師によって解釈に違いがある。近年、一部の医師は生命の短縮を意図して鎮静を行っていることが明らかとなり、鎮静と安楽死との境界が不透明な部分が「ゆっくりとした安楽死」と呼ばれ大きな議論がある。本研究では、再現可能な投与プロトコル(薬剤投与方法の手順)により鎮静を定義することに取り組む。2種類の投与プロトコルによる鎮静を実施し、苦痛、意識、有害事象/生命予後を前向きに評価する。安楽死との違いを明確にする鎮静の定義を確立する。
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研究成果の概要 |
苦痛に合わせて鎮静薬を増量する調節型鎮静プロトコルと、最初から深昏睡になるまで鎮静薬を投与し維持する持続的深い鎮静プロトコルを作成した。 各施設で前向きに評価した結果を、過去の単施設の結果と比較した。治療目標の達成は、調節型鎮静プロトコルでは単施設69%、多施設77%、持続的深い鎮静プロトコルではそれぞれ83%と88%と同程度で再現性があった。プロトコルに関連した致死的な事例は、単施設の研究0%で、多施設1%で重篤な合併症は稀で許容範囲内で発生した。 プロトコルで鎮静を定義することで安楽死との違いを明確化し、治療内容と結果が明らかな、再現可能な標準治療とすることが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鎮静の投与方法を規定するプロトコルにより安楽死との違いを明確にする鎮静の定義が確立できたことで、鎮静を実施する医療者にとって安楽死とは全く別の医療行為としての確信を持って鎮静を実施できるようになる。 更にプロトコルで定義された鎮静、つまりプロトコルに従って鎮静薬の投与や評価を行うことは、治療内容と結果が明らかな、再現可能な標準治療とすることが可能となった。これにより苦痛緩和や鎮静の実践に慣れていない医療者もプロトコルに従うことで有効で安全を担保した鎮静の実施が可能となる。 今後、標準治療と新たな投与プロトコルの比較試験を行うことで、更に治療成績の良い投与プロトコルの開発につながることが期待される。
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