研究課題/領域番号 |
19K10578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
三宅 美緒 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80128610)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 2-エチル-1-ヘキサノール / 2-エチル-ヘキサノール / 2-エチルヘキサノール / 環境毒性学 |
研究開始時の研究の概要 |
2EHは、塩化ビニル(PVC)製品の可塑剤として汎用されるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)が分解して室内に放出される。2EHの吸入曝露実験は、DEHPと異なり殆ど行われていない。経口投与の報告では、DEHP同様ペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体(PPAR)αを介した肝毒性を示すことが知られており、実際の曝露経路に即した肝毒性リスクを評価する必要がある。本研究では、実際にSBS患者が発生している建物の2EH濃度以下でマウスに慢性吸入曝露し、肝毒性の有無を明らかにする。さらに、咳や鼻水、眼の刺激性等のSBS症状の報告濃度と比較し、2EHのリスク評価値の根拠となるデータを創出する。
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研究成果の概要 |
2-エチル-1-ヘキサノール(2EH)は、シックビル症候群を引き起こす揮発性有機化合物として注目され、経口投与ではペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体(PPAR)αを介した肝毒性を示す。本研究では、3か月(亜慢性試験)及び6か月(慢性試験)吸入曝露によるマウス肝臓の毒性変化を評価した。相対肝重量はいずれの試験においても用量依存的に増加したものの、毒性影響とされる基準を満たさなかった。さらに、本研究における2EH吸入曝露濃度では、PPARα関連シグナル伝達に限定的な影響しか及ぼさないと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2-エチル-1-ヘキサノール(2EH)は、シックビル症候群を引き起こす揮発性有機化合物として注目されている。2EH は、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)の加水分解により発生し、竣工後10 年以上経過した建物において高濃度検出される事例が報告されている。本研究は2EHのマウスへの吸入曝露は、毒性影響とされる基準を満たさないことが示唆され、ペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体(PPAR)α関連シグナルには限定的な影響しか及ぼさないことを見出した。2EH の室内濃度指針値の設定には、肝毒性のみならず、他の毒性学的エンドポイントに基づいて設定する必要性を示した。
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